横浜観光といえば、みなとみらい、赤レンガ倉庫、中華街、山下公園などを思い浮かべる人が多いでしょう。
でも、「いつもの横浜観光とは少し違うことをしてみたい」「昭和レトロな駅や工場地帯を電車で巡ってみたい」という人におすすめしたいのが、横浜観光で鶴見線を乗りまくる旅です。
JR鶴見線は、横浜市鶴見区の鶴見駅から京浜工業地帯へ入り込み、扇町・海芝浦・大川という3方向の終着駅へ延びる、総延長約9.7km・全13駅のコンパクトな路線です。
短い路線なのに、本線だけを往復すれば終わりではありません。途中で線路が枝分かれし、海のすぐ横にある海芝浦駅、本数の少ない大川駅、工場地帯の奥へ進む扇町駅へ向かうため、時刻表を眺めながらルートを組み立てる楽しさがあります。
しかも鶴見線では現在、E131系3両編成が走り、2024年3月から全線でワンマン運転が行われています。さらに2025年12月20日からは全13駅に「エキタグ」も導入され、駅巡りそのものを目的にした旅もしやすくなりました。
この記事では、「横浜観光 鶴見線を乗りまくる」をテーマに、全13駅の特徴、3つの終着駅、途中下車したい駅、全線制覇のコツ、平日・休日それぞれの回り方、海芝浦駅の注意点まで、2026年時点の情報をもとにわかりやすくまとめます。
この記事でわかること
- 鶴見線全13駅と3つの終着駅の位置関係
- 扇町・海芝浦・大川を効率よく巡る考え方
- 国道駅や海芝浦駅など、途中下車したい駅
- 大川支線を含めて全線を乗りまくる際の注意点
- 2026年現在のE131系・ワンマン運転・エキタグ情報
- 工場地帯で安全に写真撮影を楽しむための注意事項
横浜観光で鶴見線を乗りまくるなら、まず3つの終着駅を知ろう
鶴見線を初めて見ると少し複雑に感じますが、旅行者の目線ではそれほど難しくありません。
まず覚えておきたいのは、終着駅が3つあることです。
- 本線:扇町駅
- 海芝浦支線:海芝浦駅
- 大川支線:大川駅
つまり、「鶴見から扇町へ行って終わり」ではなく、海芝浦と大川にも寄ることで、鶴見線らしい旅になります。
| 系統 | 主な駅 | 特徴 |
|---|---|---|
| 本線 | 鶴見→国道→鶴見小野→弁天橋→浅野→安善→武蔵白石→浜川崎→昭和→扇町 | 工場地帯を縦断する鶴見線の中心ルート |
| 海芝浦支線 | 浅野→新芝浦→海芝浦 | 海のすぐ横を走り、絶景の海芝浦駅へ向かう |
| 大川支線 | 安善方面→大川 | 運転本数が少なく、全線制覇の難所になりやすい |
営業キロ上の大川支線は武蔵白石駅付近で分岐しますが、現在の旅客列車は大川方面へ向かう際に武蔵白石駅へ停車しません。そのため旅行者の感覚では、「安善駅の次が大川駅」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
鶴見線は全部で13駅
鶴見線には、支線を含めて全部で13駅あります。
| 駅 | 路線 | 旅のポイント |
|---|---|---|
| 鶴見 | 本線 | 旅のスタート地点。京浜東北線から乗り換え |
| 国道 | 本線 | 昭和レトロな高架下が印象的 |
| 鶴見小野 | 本線 | 住宅地と工業地帯の境目を感じられる駅 |
| 弁天橋 | 本線 | 鶴見線の車両基地があるエリア |
| 浅野 | 本線・海芝浦支線 | 海芝浦方面への分岐駅 |
| 新芝浦 | 海芝浦支線 | 運河と工場が近い独特の車窓 |
| 海芝浦 | 海芝浦支線 | ホームのすぐ横が海という代表的な絶景駅 |
| 安善 | 本線・大川方面 | 大川方面を攻略するときの重要駅 |
| 武蔵白石 | 本線 | 大川支線の分岐を意識できる駅 |
| 浜川崎 | 本線 | 南武支線と乗り換え可能 |
| 昭和 | 本線 | 駅名と工場地帯の景観が印象的 |
| 扇町 | 本線 | 本線最奥部の終着駅 |
| 大川 | 大川支線 | 列車本数が少ないため時刻表確認が重要 |
鶴見線はなぜこんなに独特?京浜工業地帯と一緒に発展した路線
鶴見線の前身は、1926年に開通した私鉄「鶴見臨港鉄道」です。
もともとは鶴見・川崎の臨海部に広がった工場や埋立地へ人や物資を運ぶ役割を担っていました。その後、1943年に国有化され、現在のJR鶴見線へとつながっています。
この成り立ちを知ると、鶴見線に支線が多く、駅の周囲に工場や貨物線が目立つ理由も見えてきます。
観光地へ向かうために造られた鉄道ではなく、産業を支えるために発展した鉄道が、今では独特の観光資源にもなっているというところが鶴見線の面白さです。
同じように横浜の鉄道を「列車そのもの」から楽しみたい場合は、横浜・東海道貨物線を東戸塚で見るスポットもあわせて読むと、横浜の鉄道風景の幅がさらに広がります。
現在はE131系3両編成
「鶴見線=古い電車」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし現在の主役はE131系1000番代です。
2023年12月24日から順次営業運転を開始し、従来の205系から置き換えられました。3両編成で、海をイメージしたスカイブルーと鶴見線の黄色を取り入れたデザインが特徴です。
昔ながらの駅や工場地帯の景観の中を新しい車両が走るため、今の鶴見線は「昭和レトロな沿線風景と現代的な車両の組み合わせ」を楽しめる路線になっています。
2024年3月から全線ワンマン運転
E131系の投入完了に合わせ、2024年3月から鶴見線では全線でワンマン運転が始まりました。
鶴見駅を除く12駅は無人駅です。Suicaなどの交通系ICカードで乗り降りする場合は、駅に設置された改札機や簡易改札機へのタッチを忘れないようにしましょう。
特に途中下車を何度も繰り返す「乗りまくる旅」では、入場・出場時にきちんとタッチできているか確認しておくことが大切です。
横浜観光で鶴見線を乗りまくるなら途中下車したい6駅
全13駅に降りるのも楽しいですが、時間が限られている場合は、特徴の強い駅に絞る方法もあります。
国道駅|鶴見線を代表する昭和レトロ駅
最初に途中下車したいのが国道駅です。
鶴見駅からわずか1駅ですが、高架下へ降りると空気が一変します。
アーチ状のコンクリート構造物、薄暗い高架下、古い店舗跡などが残り、現在の横浜とは思えない景観が広がっています。
壁面には第二次世界大戦中の機銃掃射によるものとされる痕跡も残っており、単なる「レトロスポット」というだけではなく、鶴見の歴史を感じさせる場所でもあります。
ただし、駅や高架下は生活道路でもあります。撮影時は通行する人の邪魔にならない場所から楽しみましょう。
浅野駅|分岐する線路を見るだけでも面白い
浅野駅は、本線と海芝浦支線が分かれる駅です。
ホームの配置や線路の分岐が独特で、「次は扇町方面なのか、海芝浦方面なのか」と路線図を見ながら待つ時間も鶴見線旅の一部になります。
鉄道好きなら、列車に乗るだけでなく、ホームから線路の分かれ方を観察してみると面白いでしょう。
海芝浦駅|ホームのすぐ横が海
鶴見線でもっとも有名な駅と言ってよいのが海芝浦駅です。
電車を降りると、ホームのすぐ横に海が広がっています。
対岸や鶴見つばさ橋を眺めることができ、「横浜市内の駅とは思えない」と感じるほど開放感のある場所です。
海芝浦駅で特に注意したいこと
海芝浦駅は企業の事業所敷地内にあるため、一般の利用者は通常、駅から企業敷地側へ出ることができません。
一方、駅に隣接する海芝公園は一般にも開放されています。横浜市の案内では、開園時間は9:00~20:30です。
企業施設の撮影などについては現地の案内表示に従い、立入禁止場所には絶対に入らないようにしてください。
海芝浦駅で最も重要なのは、景色以上に帰りの電車の時刻です。
時間帯によっては次の列車までかなり待つことがあります。到着したら、まず折り返し列車と次の列車の時刻を確認してから景色を楽しむと安心です。
浜川崎駅|南武支線へ乗り換えられる
浜川崎駅ではJR南武支線に乗り換えられます。
一般的な大きな乗換駅とは雰囲気が異なり、駅同士が少し離れているため、初めて訪れると「本当にここで乗り換えるの?」と感じるかもしれません。
鶴見線だけで旅を終わらせず、浜川崎から南武支線へ乗って川崎方面へ抜けるルートも、鉄道旅行として面白い選択です。
扇町駅|本線の終点まで来たという達成感
本線の終着駅が扇町駅です。
観光施設が密集している終着駅ではありません。
むしろ、工業地帯の奥へ電車で入り込み、ホームに降り立ったときの「ここまで来てしまった」という感覚こそが魅力です。
夕方以降は周辺の工場や設備に明かりがともり、日中とは違った景観になります。
ただし、工場敷地や私有地へ立ち入って撮影することはできません。道路や駅など一般に利用できる場所から、安全を最優先に楽しみましょう。
大川駅|鶴見線乗りつぶし最大の難関
全線制覇を目指す人にとって一番気になるのが大川駅ではないでしょうか。
大川支線は本線や海芝浦支線と比べて運転本数が少なく、時間帯が大きく空きます。
以前は「大川支線は休日には乗れない」と紹介されることもありましたが、2026年8月現在のJR東日本時刻表では、土曜・休日にも大川駅発着列車が設定されています。
ただし本数は非常に少ないため、「平日だから大丈夫」「休日だから無理」と決めつけるのではなく、訪問日の時刻表を確認して大川駅を最優先で旅程に組み込むことが重要です。
実際に鶴見線を乗りまくるなら「大川の時刻」から逆算する
鶴見線全線を効率よく乗る最大のコツは、とてもシンプルです。
最初に大川駅の列車を決め、その前後に海芝浦と扇町を入れます。
本数の比較的多い本線を先に自由に回ってしまうと、「大川行きまで何時間も空いてしまった」ということになりかねません。
ルートを作る順番
- 利用日の大川駅発着時刻を確認
- 大川往復を旅程の固定ポイントにする
- その前後に海芝浦往復を組み込む
- 残った時間で扇町まで往復
- 国道・浅野・浜川崎など途中下車駅を追加する
この順番なら、途中で予定が少し変わっても修正しやすくなります。
モデルルート|3つの終着駅を優先するコース
- 鶴見駅からスタート
- 時刻に合わせて大川駅を往復
- 浅野方面へ戻り、海芝浦駅へ
- 海芝公園と海の景色を楽しむ
- 本線へ戻り、扇町駅へ
- 帰りに昭和・浜川崎・浅野・国道などで途中下車
- 鶴見駅へ戻る
これは固定された時刻表ではなく、あくまで組み立て方の一例です。
ダイヤ改正や曜日によって列車時刻が変わるため、実際に出かける際はJR東日本の当日の時刻表を確認してください。
全13駅下車を狙うなら半日より1日がおすすめ
鶴見線そのものは約9.7kmしかありません。
ところが、全13駅で途中下車しようとすると、移動距離よりも「次の列車を待つ時間」のほうが長くなります。
そのため、本当に全駅下車を目指すなら朝から始めて、1日かけるくらいの余裕を持たせるほうが楽しめます。
逆に2~3時間程度なら、
- 国道駅
- 海芝浦駅
- 扇町駅
などに絞るだけでも、鶴見線らしさは十分味わえます。
2025年12月から全13駅で「エキタグ」巡りもできる
駅を乗りまくる目的がもう一つ増えました。
2025年12月20日から、鶴見線の全13駅にデジタル駅スタンプサービス「エキタグ」が導入されています。
スマートフォンを使って各駅を巡りながらデジタルスタンプを集められるため、「ただ全線に乗るだけでは物足りない」という人にもぴったりです。
特に鶴見線は駅数が13駅とコンパクトなので、全駅コンプリートを目標にすると旅のゲーム性が一気に高まります。
大川駅や海芝浦駅のように列車本数に注意したい駅も含まれるため、時刻表とエキタグを組み合わせて旅程を考えるのも面白いでしょう。
鶴見線で工場夜景を見るときの注意点
鶴見線沿線は京浜工業地帯の中を通るため、夕方から夜にかけて工場設備の明かりが見える区間があります。
ただし、いわゆる観光用の「工場夜景展望台」が各駅に整備されているわけではありません。
駅周辺には企業敷地、物流施設、貨物線、車両の出入口なども多いため、撮影目的で歩く際は特に注意が必要です。
工場地帯を歩くときの基本ルール
- 企業敷地や私有地へ入らない
- 線路内や立入禁止区域へ入らない
- 車道上で三脚を広げない
- 大型車両の通行が多い場所では歩道から出ない
- 施設の撮影禁止表示がある場合は従う
- 夜間は暗い道路もあるため無理に徒歩移動しない
「より近くで撮りたい」と思っても、安全とルールが最優先です。
鶴見線は、車内から眺めるだけでも工業地帯ならではの車窓を十分楽しめます。
鶴見線を乗りまくる前に準備しておきたいもの
Suica・PASMOなどの交通系ICカード
鶴見線の駅ではSuicaを利用できます。
ただし、鶴見駅以外は無人駅で、駅によってはチャージできる設備がありません。
出発前に鶴見駅などで残高を確認し、余裕を持ってチャージしておくと安心です。
スマートフォン
鶴見線旅ではスマートフォンがかなり重要です。
- 時刻表確認
- 運行情報確認
- 地図
- 写真撮影
- エキタグ
など、ほとんどすべてに使います。
一日乗り回す場合は、モバイルバッテリーもあると安心です。
飲み物
鶴見駅を離れると、一般的な観光地のように駅前へコンビニやカフェが必ずあるわけではありません。
夏場は特に、鶴見駅周辺で飲み物を準備しておくことをおすすめします。
歩きやすい靴
駅巡りだけなら長距離を歩く必要はありませんが、国道駅周辺を散策したり、乗り継ぎ時間を使って駅周辺を見る場合はそれなりに歩きます。
工業地帯は観光地向けの歩道環境とは異なる場所もあるため、歩き慣れた靴のほうが安心です。
鶴見線は一人旅との相性がかなりいい
鶴見線の旅は、一人で出かけたい人にも向いています。
「有名観光スポットを順番に回る」という旅ではなく、時刻表を見ながら気になった駅で降り、次の電車を静かに待つ旅だからです。
誰かのペースに合わせなくても、海芝浦駅で長めに海を見る、国道駅で写真を撮る、扇町まで行ってすぐ折り返すなど、その日の気分で過ごせます。
横浜で一人の時間を楽しむ場所を探している場合は、横浜観光を一人で満喫する過ごし方も参考にしてください。
いわゆる王道の横浜とはまったく違う場所なので、「近場なのに少し遠くへ来たような気分を味わいたい」という意味では、かなり強い現実逃避先です。
横浜で現実逃避するための過ごし方では、鶴見線とは違った「頑張らない横浜観光」も紹介しています。
横浜観光で鶴見線を乗りまくるときのよくある質問
鶴見線は全部で何駅ありますか?
支線を含めて全13駅です。
本線のほか、海芝浦支線と大川支線があり、終着駅は扇町・海芝浦・大川の3駅です。
鶴見線全駅を1日で回れますか?
ダイヤを事前に組めば可能です。
ただし、大川方面の列車本数が少ないため、まず大川駅の時刻表から予定を決めるのがおすすめです。
「全線乗車」だけなら比較的簡単ですが、「全13駅で一度ずつ下車」まで行う場合は1日かけたほうが余裕があります。
大川駅には土日でも行けますか?
2026年8月現在のJR東日本時刻表では、土曜・休日にも大川駅発着列車が設定されています。
ただし運転本数は少ないため、訪問日当日の時刻表確認は必須です。
海芝浦駅では改札の外へ出られますか?
海芝浦駅は企業敷地内にあり、一般の利用者が企業敷地側へ自由に出ることはできません。
ただし、駅に隣接する海芝公園は一般に開放されており、海や鶴見つばさ橋を眺めることができます。
鶴見線で一番おすすめの駅はどこですか?
初めてなら海芝浦駅と国道駅がおすすめです。
海芝浦駅は「海」、国道駅は「昭和レトロ」と、まったく異なる鶴見線の魅力を味わえます。
時間に余裕があれば、そこへ扇町駅と大川駅を追加すると、3支線を含めた鶴見線らしい旅になります。
横浜観光 鶴見線を乗りまくる|まとめ
- 鶴見線は総延長約9.7km・全13駅のコンパクトな路線
- 終着駅は扇町・海芝浦・大川の3駅
- 現在はE131系3両編成が運行している
- 2024年3月から鶴見線全線でワンマン運転
- 鶴見駅を除く12駅は無人駅
- 2025年12月から全13駅でエキタグを楽しめる
- 海芝浦駅では海芝公園から海と鶴見つばさ橋を楽しめる
- 大川支線は2026年現在、土休日にも列車があるが本数は少ない
- 全線制覇は大川駅の時刻から逆算するのが最大のコツ
- 工場地帯では私有地や立入禁止区域へ入らず、安全を最優先にする
横浜観光で鶴見線を乗りまくる旅は、有名スポットを次々に制覇していく一般的な横浜観光とは少し違います。
古いコンクリート構造が残る国道駅。
線路が枝分かれする浅野駅。
ホームの横まで海が迫る海芝浦駅。
工業地帯の奥にある扇町駅。
そして、時刻表を確認しないとなかなか訪れにくい大川駅。
わずか9.7kmほどの路線の中に、これだけ異なる景色が詰まっています。
「横浜には何度も行った」「みなとみらい以外の横浜も知りたい」「鉄道そのものを目的に一日遊びたい」という人なら、かなり面白い一日になるはずです。
まずはJR東日本の最新時刻表で大川行きと海芝浦行きを確認して、自分だけの鶴見線乗りまくりルートを組んでみてください。
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