横浜グリーンライン延伸はいつ?計画の現状と課題を解説
横浜市営地下鉄グリーンライン、便利ですよね。私も日吉やセンター北・南に行くときによく利用しています。そんなグリーンラインに、実は壮大な延伸計画があるのをご存知でしたか?「グリーンラインの延伸はいつ実現するんだろう?」と気になって調べている方も多いかもしれません。この計画、実は単に路線が伸びるという話だけではなく、鶴見や二俣川、果てはズーラシアへのアクセスまで変えてしまう可能性を秘めているんです。ただ、調べていくと、なかなか計画が進んでいない現状や、よく混同されがちなブルーラインの延伸計画との関係など、少し複雑な事情も見えてきました。
この記事では、グリーンライン延伸計画の全体像から、具体的なルート案、そしてなぜ計画がなかなか進まないのか、その理由まで、私が調べた情報を分かりやすくまとめてみました。計画の「今」を知ることで、未来の横浜が少し違って見えるかもしれませんね。
- グリーンライン延伸計画の壮大な全体像
- 日吉~鶴見、中山~二俣川の具体的なルート案
- 計画が「長期的な検討」に留まっている理由
- 優先されるブルーライン延伸計画との関係性
グリーンライン延伸はいつ?計画の現状

横浜で現実逃避作成イメージ
まずは、多くの人が気になっている「グリーンライン延伸計画」の現在地について見ていきましょう。この計画、実は「横浜環状鉄道」という、もっと大きな構想の一部なんです。壮大なビジョンと、具体的な検討区間について詳しく解説しますね。
横浜環状鉄道という壮大な計画
グリーンラインの延伸計画を語る上で欠かせないのが、その上位計画である「横浜環状鉄道」構想です。これは、今のグリーンライン(日吉~中山)をさらに延ばして、鶴見、二俣川、東戸塚、上大岡などをぐるっと環状に結ぶという、とてつもなく壮大な計画なんですね。
今の横浜の鉄道網って、どうしても横浜駅や新横浜駅に向かう「放射状」の路線が中心ですよね。だから、例えば日吉から二俣川に行こうとすると、一度横浜駅を経由する必要があって、ちょっと不便に感じることも。この環状鉄道が実現すれば、郊外の主要な拠点同士が直接結ばれて、移動がすごくスムーズになるはずです。災害時に一部の路線が止まってしまったときも、う回路として機能することが期待されています。
横浜の人の流れを変える可能性
この構想の目的は、横浜駅への一極集中型の交通網から、複数の拠点が連携する「多極分散型」の都市構造へと転換することにあります。これが実現すれば、各拠点の活性化はもちろん、通勤や通学、買い物の選択肢が大きく広がり、横浜市全体の魅力向上に繋がるかもしれません。
豆知識:東京の山手線のような役割
この構想は、東京の山手線や大阪の大阪環状線のように、都市の骨格となる環状ネットワークを横浜にも作ろうというものです。実現すれば、横浜の人の流れが大きく変わるかもしれませんね。
現在運行しているグリーンラインは、この巨大な構想のほんの一部が2008年3月30日に先行して開業したもの、という位置づけなんです。
グリーンライン延伸の具体的なルート

横浜で現実逃避作成イメージ
横浜環状鉄道の全体像は、鶴見からスタートして、日吉、中山、二俣川、東戸塚、上大岡、根岸を経由し、みなとみらい線の元町・中華街駅まで至るというものです。総延長は約34.4kmにもなり、総事業費はなんと約7,700億円と試算されています。
さすがにこれを一気に整備するのは現実的ではないため、横浜市は現在、既存のグリーンラインに接続する2つの区間を優先的に検討しています。
- 北方面:日吉駅 → 鶴見駅
- 西方面:中山駅 → 二俣川駅
この2つの区間が、今一番具体的に話が進んでいる(といってもまだ構想段階ですが)場所になります。横浜市はこれらの区間について、需要予測や概算事業費の試算を行っていますが、具体的なルートや駅の位置はまだ決まっていません。
北方面への延伸は日吉から鶴見へ
まずは北方面、日吉駅からJR鶴見駅を目指すルートです。これができれば、東急東横線とJR京浜東北線が結ばれて、横浜市北部の東西移動が劇的に便利になりますね。通勤・通学はもちろん、休日の行動範囲もぐっと広がりそうです。
横浜市の試算によると、以下のようなデータが出ています。
| 想定需要 | 1日あたり35,000人~49,000人(令和3年度試算) |
| 概算事業費 | 1,300億円~1,400億円 |
| 想定所要時間 | 約11分 |
まだ正式なルートや駅の位置は決まっていませんが、地域の人の流れを考えると、大規模商業施設の「トレッサ横浜」の近くに「樽町駒岡駅」、そして桜の名所でもある「三ツ池公園」の近くに「三ツ池公園駅」などができるんじゃないか、と予想されています。あくまで非公式な案ですが、もし実現したら、このエリアの利便性は格段に向上するでしょうね。夢が膨らみます。
西方面への延伸は中山から二俣川へ
もう一方は西方面、JR横浜線の中山駅から相鉄線の主要駅である二俣川駅を結ぶルートです。横浜市西部を南北に貫く新しい交通の軸が生まれることになります。現在はバス便が中心のエリアなので、定時性の高い鉄道ができることへの期待は大きいと思います。
こちらの試算データは以下の通りです。
| 想定需要 | 1日あたり25,000人~30,000人(平成28年度試算) |
| 概算事業費 | 1,400億円~1,600億円 |
| 想定所要時間 | 約11分 |
このルートの面白いところは、次の見出しで詳しく触れますが、あの人気動物園へのアクセスが格段に良くなる可能性がある点です。また、住宅地が広がるエリアに「上白根駅」や「今宿駅」といった新駅の設置が構想されており、地域住民の足としても期待されています。
ズーラシアへのアクセスも向上か

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中山~二俣川延伸で特に注目したいのが、「よこはま動物園ズーラシア」へのアクセス向上です。
現在、ズーラシアへは中山駅や鶴ヶ峰駅からバスで行くのが一般的ですが、週末は道路が混雑することもあって、時間が読みにくいのが少しネックですよね。私も家族で訪れた際に、バスがなかなか進まずヤキモキした経験があります。
この延伸計画では、「上白根」地区に新駅を設置し、そこをズーラシアへの最寄り駅とする構想があります。駅名に「よこはま動物園ズーラシア」という副駅名が付く可能性も考えられますね。もし実現すれば、電車を降りてすぐズーラシア、なんて未来が待っているかもしれません。これは動物園好きとしてはかなり嬉しいニュースかなと思います。
ズーラシアのイベントも楽しみに
ズーラシアでは夏に「夜市」などの楽しいイベントも開催されます。電車でのアクセスが良くなれば、夜のイベントにも気軽に参加しやすくなりますね。以前、当ブログでもズーラシア夜市を含む地元のイベントを紹介しましたが、鉄道延伸でさらに多くの人が楽しめるようになると嬉しいです。
グリーンライン延伸はいつ?進まない理由

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ここまで壮大な計画を見てきましたが、一方で「じゃあ、なんで一向に工事が始まらないの?」という疑問が湧いてきますよね。ここからは、計画がなかなか前に進まない、少しシビアな現実について解説していきます。財政的な問題や、別の路線の存在が大きく影響しているようです。
なぜ計画の進捗が遅れているのか
計画が進まない最大の理由は、はっきり言ってしまえば「儲からないから」です。専門的な言葉を使うと「事業性が低い」ということになります。
大規模な公共事業、特に鉄道建設には国の補助金が不可欠ですが、そのためには「費用便益比(B/C)」という指標で1.0を上回る必要があります。これは、かけた費用(Benefit)に対してどれだけの便益(Cost)、つまり移動時間の短縮や経済効果などが見込めるかを示す数値です。
残念ながら、グリーンラインの延伸計画は、現時点の試算ではこの費用便益比が1.0を下回ってしまっているんです。つまり、莫大な建設費をかけても、それに見合うだけの効果や利益が見込めないと判断されているわけですね。これが、横浜市が「事業化に課題がある」「長期的に取り組む路線」という慎重な姿勢を崩さない根本的な原因です。(出典:横浜市都市整備局「横浜環状鉄道について」)
まちづくりとの連携がカギ
この状況を打開するため、市は新駅周辺の再開発など「まちづくり」とセットで計画を進め、鉄道の利用者を増やすことで事業性を高めたい考えです。しかし、今のところ事業性を劇的に改善するような大規模な開発計画は具体化しておらず、計画停滞の一因となっています。横浜ではみなとみらい地区の再開発などが活発ですが、延伸ルート沿線でも同様の起爆剤が必要なのかもしれません。
優先されるブルーライン延伸計画

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グリーンライン延伸が進まない、もう一つの決定的な理由。それは、横浜市が現在、ブルーラインの「あざみ野~新百合ヶ丘」延伸事業に全力を注いでいるからです。
市は公式に「ブルーライン延伸事業の目途が立った後に、横浜環状鉄道(グリーンライン延伸)の事業化に向けた詳しい調査をする」という方針を示しています。つまり、プロジェクトには明確な優先順位があって、グリーンラインは残念ながら「2番手」という位置づけなんです。
この2つの計画のステータスは全く異なります。
| 計画名 | ステータス | 主な特徴 |
|---|---|---|
| グリーンライン延伸 | 構想・検討段階 | まだ事業として正式決定していない |
| ブルーライン延伸 | 事業化決定済み | 2019年に事業化が正式決定済み |
まずはブルーラインを何とか形にしてから、その次にグリーンラインを考えよう、というのが市のスタンスなんですね。横浜の鉄道網を考える上で、ブルーラインと他路線の乗り換えは非常に重要なので、こちらを優先するのも理解できる気はします。
ブルーライン延伸も大幅な遅れ
ところが、事態をさらに複雑にしているのが、その最優先プロジェクトであるはずのブルーライン延伸計画自体が、大きな壁にぶつかっているという事実です。
もともと2030年の開業を目指していましたが、近年の急激な建設資材の価格高騰や、コロナ禍を経たことによる将来の鉄道需要の不透明さといった問題が浮上し、計画は停滞気味。2024年現在もまだ着工の目途は立っていません。
専門家の間では、目標とされている2030年の開業は「絶望的」と見られており、もし今から順調に進んだとしても、開業は2030年代半ばにずれ込む可能性が高いと言われています。
つまり、グリーンラインの検討を始めるための「前提条件」だったブルーライン計画が先行き不透明になっているわけです。これでは、グリーンラインの計画が本格的に動き出すのは、一体いつになるのか…正直、見通しが立たないのが現状と言えるかもしれません。
市民の期待と行政の現実
事業性や採算性の話が先行する一方で、鉄道が通っていない地域に住む人々からは、延伸を待ち望む切実な声が上がっています。
特に、横浜市中区の本牧(ほんもく)地区は、市内でも有数の「鉄道空白地帯」として知られています。この地域では、市民団体が中心となって、みなとみらい線を本牧・根岸方面へ延伸してほしいと長年市に要望を続けています。これも横浜環状鉄道構想の一部ですね。バス路線の減便なども進む中で、安定した公共交通である鉄道への期待は非常に大きいものがあります。
しかし、こうした市民からの「一日も早く延伸を」という声に対し、横浜市の回答は一貫して「事業性に課題があるため、長期的に取り組む路線と位置づけている」というもの。ここには、生活の利便性を求める市民の思いと、巨額の税金を投入する行政の財政的な現実との間に、大きな隔たりがあることが分かります。
結局、開業は未定のままなのか
これまでの情報をまとめると、残念ながら「グリーンライン延伸の開業はいつですか?」という問いに対する答えは、「具体的な開業目標や着工スケジュールは全く決まっていません」ということになります。
これは「未事業化」の、あくまで構想段階にあるプロジェクトです。計画が動き出すとすれば、それは沿線で事業性を根本から覆すような大規模な再開発計画が持ち上がるなど、何か大きなきっかけが必要になるでしょう。
今後の注目ポイント
グリーンライン延伸の将来を占う上で、私たちが今後注目すべきは、以下の3つの動向かもしれません。
- ブルーライン延伸工事が実際に着工されるか 最優先プロジェクトが具体的に動き出すかどうかが、最初の関門です。
- 鶴見や二俣川、上白根といった沿線地域で大規模な再開発計画が発表されるか 事業性を高める「まちづくり」が具体化すれば、計画が一気に進む可能性があります。
- 横浜市の長期的な交通政策計画が見直され、優先順位に変化があるか 市の政策転換があれば、グリーンラインが優先される未来もあり得ます。
これらの動きが出てこない限り、グリーンラインの延伸は、しばらくは地図の上の計画線であり続ける可能性が高いと言えそうです。
グリーンライン延伸はいつかの最終結論
さて、今回は横浜市営地下鉄グリーンラインの延伸計画について、その壮大な構想から厳しい現実までを詳しく見てきました。
結論として、グリーンラインの延伸がいつになるか、現時点で具体的な時期を言うことは誰にもできません。最大の障壁である「事業性の低さ」という問題をクリアし、さらに優先事業である「ブルーライン延伸」に目途が立たない限り、計画が本格的に始動することはないでしょう。
横浜環状鉄道という構想は、横浜という街のポテンシャルをさらに引き出す素晴らしい計画だと思います。ただ、その実現への道のりは、数年単位ではなく、10年、20年といった非常に長いスパンで見ていく必要がありそうです。沿線住民の一人としては、いつかこの計画が実現する日を気長に待ちたいなと思います。
情報の取り扱いについて
この記事で紹介した事業費や需要予測などの数値は、横浜市が公表した試算に基づくものですが、あくまで現時点での目安です。今後の社会情勢などによって変動する可能性があります。計画に関する最新かつ正確な情報については、必ず横浜市の公式サイトをご確認ください。