上瀬谷通信施設跡地テーマパークの全貌と課題
横浜の瀬谷区と旭区にまたがる、あの「旧上瀬谷通信施設」。ここに超巨大なテーマパークができるって話、本当に気になりますよね。私も横浜市民として、このビッグプロジェクトにはすごく注目しています。
でも、情報が色々あって、「結局、2027年にやる国際園芸博覧会(万博)とテーマパークって何が違うの?」「テーマパークの場所はどこで、規模は?」「運営会社は三菱地所に決定したって本当?」「コンセプトは?」「開業はいつ?」「瀬谷駅からのアクセスはどうなるの?新交通って?」「交通渋滞は大丈夫?」なんて、疑問だらけかもしれません。
この壮大な計画は、横浜の未来をどう変えるのか。現時点でわかっている情報を、私なりに整理してみました。あの広大な土地が、米軍から返還されて以来、横浜に残された「最後のフロンティア」とも呼ばれてきた場所ですから、その未来像は気になるところです。
この記事では、検索されている皆さんの疑問—万博との関係性、テーマパークの具体的な中身、そして最大の課題である交通アクセスまで、深掘りして解説していきますね。
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- 万博とテーマパークの明確な違い
- (仮称)KAMISEYA PARKの計画内容
- 瀬谷駅からのアクセスと新交通の未来
- プロジェクト全体のスケジュールと懸念点
上瀬谷通信施設跡地 テーマパークの全貌

横浜で現実逃避作成イメージ
まずは、この巨大プロジェクトの全体像を整理してみましょう。多くの方が混乱しがちな「国際園芸博覧会(万博)」と「テーマパーク」の関係性から、しっかり押さえていきたいと思います。なにしろ、東京ドーム約51個分(約242ヘクタール)というとんでもない広さの土地開発ですから、全貌を掴むのも一苦労ですよね。
国際園芸博覧会との違いは?
まず、一番大事なポイントから。2027年に開催される「GREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)」と、今回メインでお話しする「新テーマパーク」は、まったくの別物です。
時々、「万博の跡地にテーマパークができる」と誤解されがちですが、そうではありません。約242ヘクタールの広大な敷地を、横浜市が策定した「土地利用基本計画」に基づき、異なるエリアで使い分ける計画なんです。
この二つの関係性を、以下の表で比較してみるのが一番わかりやすいと思います。
【比較】万博 vs 新テーマパーク
| 比較項目 | GREEN×EXPO 2027 (国際園芸博覧会) | (仮称)KAMISEYA PARK (新テーマパーク) |
|---|---|---|
| 目的・種別 | 約6ヶ月間の期間限定イベント (A1クラスの国際博覧会) | 永続的に運営される恒久施設 (大型テーマパーク) |
| 場所 (敷地内) | 敷地の南部エリア (博覧会区域 約100ha) | 敷地の北部エリア (観光・賑わいゾーン 約71ha) |
| 開催・開業時期 | 2027年3月19日~9月26日 | 2031年頃 (開業目標) |
| イベント後の姿 | 大部分は「(仮称)旧上瀬谷通信施設公園」という広大な公共公園・防災拠点として整備 | テーマパークとして永続的に運営 |
| テーマ | 幸せを創る明日の風景 (緑と未来) | ワールドクラスの次世代型テーマパーク (ジャパンコンテンツ) |
このように、万博は跡地全体の「お披露目」を担う国際的なローンチイベントなんですね。そして、万博が使った土地(南部エリア)の未来は、テーマパークではなく、「公共の公園」と「防災拠点」です。
一方で、新テーマパークは、万博とは別の区画(北部エリア)に、万博の後に建設・開業する、まったく新しい恒久施設というわけです。二つは「隣人」ですが、運命は異なる、と理解するのが正解ですね。
テーマパークの場所と規模

横浜で現実逃避作成イメージ
では、その新テーマパーク「(仮称)KAMISEYA PARK」は、どれくらいの規模感なのでしょうか。
建設が予定されているのは、跡地の北部、「観光・賑わいゾーン」と呼ばれるエリアです。場所としては、横浜環状4号線や八王子街道に近い、敷地の北側ですね。
この「観光・賑わい区域」全体で約71ヘクタールが計画されています。そのうち、核となるテーマパークの有料エリア(テーマパークゾーン)だけでも、約51ヘクタールが予定されています。
テーマパークの「51ha」という規模感
約51ヘクタールという広さがどれくらいかというと、日本の二大テーマパークとほぼ同じ、まさに「ワールドクラス」です。
- (仮称)KAMISEYA PARK:約51 ha
- 東京ディズニーランド:約51 ha
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン:約54 ha
これはもう、既存のトップティアパークと真っ向から競争することを意図した、極めて野心的な規模設定と言えます。
年間の来場者数も、開業当初で1,200万人、将来的には1,500万人を超える集客を目指していると報じられており、これはパンデミック前のUSJに匹敵する数字です。本気度が違いますね。
複合型デスティネーションとしての設計
さらに注目すべきは、単にゲート(有料)の中だけではない点です。約71ヘクタールの「観光・賑わい区域」は、複数の機能を持つ「複合型デスティネーション」として設計されています。
- 駅前ゾーン(無料エリア): 新交通システムの終着点となる玄関口。グッズショップやカフェ、レストランが並び、パークに入らない人も楽しめる賑わいの場に。
- 公園隣接ゾーン(無料エリア): 南側の公共公園(万博レガシー)との結節点。「農と食」や「Well-being」をテーマにした商業施設が想定されており、万博の「緑」のテーマを継承する役割も持ちます。
- 環4西ゾーン: 環状4号線の西側。空港や主要駅からのバスを受け入れる大規模バスターミナル機能が想定されています。
TDRの「イクスピアリ」やUSJの「シティウォーク」のように、パーク内外で収益を上げ、一日中滞在できる「街」を丸ごと作ろうという戦略ですね。
運営会社は三菱地所で決定

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この巨大プロジェクトを誰がやるのか、ずっと注目されていましたが、2023年9月に事業予定者が正式に決まりました。
代表企業は、三菱地所です。
さらに、コンソーシアム(企業連合)として、相鉄ホールディングス、東急、東急不動産、三菱倉庫が名を連ねています。いや、この座組は本当に「本気」を感じさせます。
不動産開発のプロである三菱地所と東急不動産。物流のノウハウを持つ三菱倉庫。そして何より、広域の鉄道ネットワークを持つ「相鉄」と「東急」がガッチリ入っているのが、個人的には最大の注目ポイントです。
鉄道会社が参画する「沿線開発」の側面
これは単なるテーマパーク運営に留まらない、より壮大な「未来都市開発」の意図を感じさせます。
三菱地所にとっては、丸の内などのオフィスビル事業に続く、レジャー・デスティネーションという新たな収益の柱を確立する狙いがあるかもしれません。
一方で、相鉄と東急にとっては、このテーマパークを「目的地」として設定することで、自社沿線の不動産価値向上と、交流人口の爆発的な拡大を図る、伝統的かつ最大規模の「沿線開発」という側面があります。テーマパークを「点」として作るのではなく、そこに至る沿線全体を「面」として開発し、価値を最大化する。鉄道会社ならではの戦略ですね。
コンセプトはジャパンコンテンツ

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では、TDRやUSJと同じ規模の敷地に、何を作るのか。ビジョンは「ワールドクラスの次世代型テーマパーク」の創出です。
その核となる差別化要素が、「世界に誇るジャパンコンテンツ」と「ジャパンテクノロジー」の活用です。
具体的には、日本が強い漫画、アニメ、ゲーム、映画、キャラクターといった「ジャパンコンテンツ」を、最先端の技術(VR, AR, プロジェクションマッピングなど)を用いて、没入感たっぷりに体験・可視化する施設を目指すとのこと。
TDRが「アメリカの夢と魔法」、USJが「ハリウッドと任天堂」なら、上瀬谷は「日本発のクールジャパンの聖地」になるかもしれません。
USJが「クールジャパン」として期間限定で扱ってきた日本のアニメやゲームのIPを、このパークは「恒久的なアトラクション」として大規模に展開する可能性があります。国内外の「ジャパンコンテンツ」ファンにとって、まさに聖地となるポテンシャルを秘めていますね。インバウンド(海外からの観光客)需要も、強く意識していると思います。
開業はいつ?2031年頃か
気になる開業時期ですが、現在の計画では2031年頃が開業目標とされています。
まずは2027年の国際園芸博覧会を成功させ、その後、テーマパークの建設が本格化していく流れですね。万博が2027年9月に閉幕した後、2028年頃から着工し、約3〜4年の工事期間を経て開業、というイメージでしょうか。
「まだ先だな」と感じるかもしれませんが、あの規模の施設をゼロから作り上げ、さらに新交通システムというインフラまで整備するとなると、これくらいのスパンは必要になるんだと思います。壮大な計画です。
スケジュールは変更の可能性あり
これはあくまで現時点での「目標」です。こうした大規模開発では、社会情勢や資材高騰、許認可、あるいは環境アセスメント(後述する土壌汚染の調査など)の結果によって、スケジュールが変更される可能性は常にあります。最新の情報には、引き続き注目していきたいですね。
上瀬谷通信施設跡地 テーマパークの課題
が複雑に交差する上瀬谷エリアの交通網。.jpg)
横浜で現実逃避作成イメージ
これだけ壮大な計画ですから、当然ながら課題もあります。バラ色の未来ばかりではありません。横浜市民として、そして将来の来場者として最も気になるのは、やはり「交通アクセス」の問題です。
アクセスと新交通の計画
この上瀬谷の広大な敷地が抱える最大のアキレス腱は、現時点で直結する鉄道駅が存在しないことです。
この「陸の孤島」ともいえる立地に、年間1,000万人以上(TDR/USJ級なら1,500万人規模)のお客さんをどうやって運ぶのか。この交通問題の解決なくして、プロジェクトの成功はありません。計画は、大きく二段階で考えられています。
- フェーズ1(2027年 万博): 短期決戦のバス輸送
まずは万博の6ヶ月間。期間中の来場者見込みは約1,500万人。これは鉄道の開業が間に合わないため、相鉄線の「瀬谷駅」「三ツ境駅」や、JR横浜線の「十日市場駅」、東急田園都市線の「南町田グランベリーパーク駅」などから、全面的にシャトルバスで輸送する計画です。6ヶ月で1,500万人をバスだけで捌き切るというのは、正直、想像を絶するオペレーションですね。これが最初の大きなハードルです。
- フェーズ2(2031年〜 テーマパーク): 恒久インフラの整備
テーマパーク開業後は、年間1,500万人規模の来場者を「恒常的に」輸送し続けなければなりません。そのための恒久的なアクセス手段として、新たな交通機関「(仮称)上瀬谷ライン」の導入が計画されています。
瀬谷駅からのアクセス方法
テーマパークへの恒久的なアクセスとして、最有力視されているのが「(仮称)上瀬谷ライン」です。
これは、相鉄線の瀬谷駅とテーマパークの入口付近(駅前ゾーン)を結ぶ、約2.2kmの新しい交通システム。方式としては、LRT(次世代型路面電車)や、シーサイドラインのような新交通システム、モノレールなどが検討されていますが、まだ正式決定はされていません。
私たちの生活にも馴染み深い、相鉄線の主要駅である瀬谷駅が、この新交通の起点になるわけです。
計画「復活」の経緯
実はこの新交通システム、一度は「頓挫」の危機がありました。
2021年11月、横浜市から運行事業者としての参画を打診された(株)横浜シーサイドラインが、「採算性や継続性が見通せない」として、現時点での参画を見送る方針を決定したんです。当時はテーマパーク構想がまだ具体化しておらず、不確実な需要予測に依存した路線建設はリスクが高いと判断されたわけですね。これは企業として合理的な判断だったと思います。
しかし、状況は2023年に劇的に変わりました。三菱地所コンソーシアムが「年間1,500万人集客」という具体的な事業計画を打ち出し、しかもそのコンソーシアムに「相鉄」と「東急」という鉄道事業者自身が名を連ねたのです。
これにより、シーサイドラインが懸念した「採算性」と「需要予測」が、明確に担保されたことになります。2031年の開業に向けて、この新交通プロジェクトは今、高い確度で再始動・実現するものと私は分析しています。
懸念される交通渋滞と対策
とはいえ、新交通システムができるまでの万博期間や、パーク開業後も、車での来場者は膨大な数になります。地元住民として最も心配なのは、やはり交通渋滞ですよね。
特に、国道16号や八王子街道、環状4号線は、今でも週末やラッシュ時にはかなり混雑します。あそこに万博やテーマパークの交通量が加わるとなると…想像するだけでちょっと怖いものがあります。
これに対して、横浜市や国も大規模な道路インフラ整備を進めています。これは「将来交通量(2046年時点)を見据えた対策」として位置付けられています。
現在進められている主な道路整備計画
- 高速道路アクセス: 東名高速道路への新たなインターチェンジ(横浜町田IC~横浜青葉IC間)の整備が計画されています。これは広域からのアクセスを劇的に改善する可能性があります。
- 主要交差点の改良: 慢性的な渋滞ポイントである瀬谷柏尾道路の「二ツ上橋交差点」では、右折レーンの新設を含む交差点改良が進められており、令和8年度(2026年度)の完成を目指しています。
- 主要道路の拡幅・新設: 「八王子街道」の拡幅工事や、「瀬谷地内線」の新設工事(相鉄線のアンダーパス工事など)も、用地取得が完了した区間から進められています。
これらの整備が、万博やテーマパーク開業のインパクトにどこまで対応できるか…。正直、未知数な部分はありますが、対策が着々と進められているのは確かです。
また、テーマパーク側の計画(環4西ゾーン)に、シャトルバスやツアーバスが一般道に溢れるのを防ぐための専用大規模バスターミナルが組み込まれている点も、渋滞緩和の鍵になりそうですね。
最新のスケジュールまとめ

横浜で現実逃避作成イメージ
二つの巨大プロジェクトが同時進行する上瀬谷。ここまでの情報を、プロジェクトの起点から時系列で整理してみます。
上瀬谷プロジェクト 統合タイムライン
- 2015年 6月: 米軍から土地返還
すべての始まり。約70年ぶりに横浜市に広大な土地が戻ってきました。
- 2020年 3月: 横浜市「土地利用基本計画」策定
跡地をどう使うかの公式マスタープラン(ゾーニング)が決定。「観光・賑わい」「公園・防災」「農業振興」などの区割りが決まりました。
- 2023年 9月: 三菱地所コンソーシアムが事業予定者に決定
テーマパーク計画が具体化し、「(仮称)KAMISEYA PARK」が始動。
- 2027年 3月~9月: 国際園芸博覧会 (GREEN×EXPO 2027) 開催
跡地全体の「お披露目」となる、6ヶ月間の国際イベント。アクセスは主にシャトルバス。
- 2028年頃 (予定): (仮称)KAMISEYA PARK 着工
万博閉幕後、北部エリアで恒久施設であるテーマパークの建設が開始されると予想されます。
- 2031年頃 (目標): (仮称)KAMISEYA PARK 開業
新交通システム「(仮称)上瀬谷ライン」も、この開業に合わせて同時開業を目指すものと思われます。
2015年の返還から、テーマパーク開業の2031年まで、実に16年がかりのプロジェクト。かなり長期的な都市開発であることがわかりますね。
上瀬谷通信施設跡地 テーマパークの未来
「上瀬谷通信施設跡地 テーマパーク」について検索してこられた方、疑問は少し解消されたでしょうか。
ポイントは、2027年の万博と、2031年のテーマパークは「別物」であり、テーマパークはTDR/USJ級の「ジャパンコンテンツ」を武器にした恒久施設だということです。
その成功の鍵は、間違いなく「交通アクセス」。特に、瀬谷駅からの新交通「(仮称)上瀬谷ライン」が、計画通りに開業できるかにかかっています。
期待と懸念
一横浜市民として、このプロジェクトには大きな期待と、正直なところ少しの懸念があります。
期待しているのは、もちろん新たな賑わいや経済効果です。横浜郊外部に世界中から人が集まる日本の新しい文化発信地が誕生するかもしれない…こんなにワクワクすることはありません。
一方で懸念しているのは、やはり交通渋滞。そして、元米軍基地という特性上の「環境問題」です。土壌汚染(特にPFOS・PFOAなど)の懸念も市民団体などから指摘されており、万博やパーク建設の前に、十分な調査と、もし汚染が見つかれば誠実な浄化作業が求められます。これはプロジェクトの遅延リスクにもなり得ます。
このプロジェクトは、単なるテーマパークの建設ではなく、交通インフラ、防災、農業、そして環境問題も一体で考える、半世紀規模の「未来都市」づくりなんだと、私は捉えています。これからも、この未来の横浜の姿に、注目していきたいと思います。
情報に関するご注意
この記事の内容は、2025年11月時点で公開されている情報や、私個人の見解に基づき構成したものです。プロジェクトの計画は、今後変更される可能性があります。
正確な最新情報や詳細については、横浜市、国際園芸博覧会協会、三菱地所などの公式サイトを必ずご自身でご確認ください。