横浜観光で古墳巡り!歴史と自然を感じる静かな時間の旅|市内穴場スポット特集
古墳時代の横浜に出会う旅へ——地元民も知らない“歴史の扉”が開く
「横浜観光 古墳巡り」——一見、あまり耳慣れないキーワードかもしれません。横浜といえば、港町、高層ビル、洗練されたショッピングストリートを思い浮かべる方が大半でしょう。しかし、実はその近代的な都市景観のすぐそばに、古代の息吹を今に伝える大小さまざまな古墳が点在しており、古代の歴史を感じられる静かな散策コースが存在しています。
都心から電車で30分圏内という好立地でありながら、まるでタイムスリップしたかのような静寂に包まれた古墳群や古代遺跡がひっそりと残る場所があるのです。賑やかなみなとみらいや中華街とはまったく異なる、時の流れがゆるやかに感じられる“裏横浜”の姿がそこにあります。
古墳といえば関西や九州のイメージが強いかもしれませんが、東日本にもその文化は確かに根づいており、横浜にはその名残が数多く残されています。特に円墳や方墳といったタイプの古墳が多く、その多くはかつての有力者が眠る場所でした。戦後の急速な宅地開発により多くが失われてしまいましたが、地域の人々の尽力や都市計画の中で大切に保存されてきたものも少なくありません。(出典:横浜市教育委員会「文化財・埋蔵文化財」)
住宅街の一角や緑地公園の中に突然現れるその姿に、驚きと歴史のロマンを感じることでしょう。
本記事では、古墳巡りが楽しめる横浜の穴場スポットを厳選して紹介するとともに、歴史探訪は好きだけれど体力には自信がない、という方のために、歩きすぎず、公共交通機関を賢く活用した「疲れないモデルコース」も併せてご提案します。
記事のポイント4つ
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横浜市内に現存する古墳の中から代表的な4カ所を厳選紹介
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古墳を通して横浜の知られざる古代史に触れる
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公園や自然と融合した場所でのんびり過ごせる
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移動距離を抑えた、60代以上にも優しいゆったりコースを提案
横浜観光 古墳巡りで訪れたいスポット特集【前半】
1. 大塚・歳勝土遺跡公園(都筑区)|古墳+弥生集落が体感できる貴重な遺跡
横浜市都筑区、港北ニュータウンの中心部に位置する「大塚・歳勝土遺跡(おおつか・さいかちどいせき)」は、古墳巡りのスタート地点として最もおすすめしたい場所の一つです。ここは、弥生時代の環濠(かんごう)集落跡と、それに続く古墳時代の墓域が一体となって保存・整備された、国指定史跡でもある大規模な歴史公園です。
園内には復元された弥生時代の竪穴住居群が立ち並び、当時の人々の暮らしをリアルに想像することができます。そして隣接する歳勝土遺跡エリアには、方形周溝墓(四角い溝で囲まれたお墓)が復元されており、弥生時代から古墳時代への移り変わりを肌で感じられます。
さらに、公園に隣接して「横浜市歴史博物館」があり、園内で出土した土器や装飾品などの貴重な実物資料が展示されています。ゆったりとした芝生広場も整備されており、歴史学習と自然散策の両方を満喫できる、まさに“生きた博物館”のような空間です。古代の暮らしに触れるワークショップなども定期的に開催されており、歴史好きはもちろん、親子連れにも人気があります。
スポット情報
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アクセス:横浜市営地下鉄「センター北駅」から徒歩5分
- 大塚・歳勝土遺跡公園 (横浜市歴史博物館)
2. 釜利谷古墳(磯子区)|住宅街に佇む静かな“現存古墳”
磯子区釜利谷(かまりや)エリアは、金沢文庫などにも近い歴史ある地域です。この一帯には、現存する古墳がいくつか点在しており、その中でも「釜利谷古墳」は保存状態がよく、周囲の閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。
なぜこんな住宅地の真ん中に?と驚くかもしれませんが、ここはかつて見晴らしの良い丘陵地帯で、地域の有力者が眠るのにふさわしい場所でした。案内板も設置されており、古墳時代後期(6世紀後半~7世紀初頭)の築造とされる円墳で、比較的小規模ながらも、こんもりとした墳丘(ふんきゅう)がはっきりと残り、歴史の確かな存在を感じさせてくれます。
観光地化されていないため、地域住民にもあまり知られておらず、静かに古代のロマンに浸りたい方には最適です。近隣には小川が流れ、春には桜並木も美しいエリア。歴史散策と合わせて、のどかな風景を楽しむことができます。
スポット情報
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アクセス:京急線「金沢文庫駅」よりバス約10分「釜利谷」下車徒歩5分
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備考:個人宅の近くにあるため、見学の際は静かに、マナーを守って散策しましょう。
3. 長津田町谷戸貝塚・長津田古墳群(緑区)|緑に包まれた散策向きスポット
横浜市北西部の緑区、長津田町周辺には、さらに時代を遡る「谷戸貝塚(やとかいづか)」や、複数の古墳が点在する「長津田古墳群」が残されています。貝塚の存在は、縄文時代からこの地に人々が継続して生活していた証です。
現在は住宅街や豊かな森に隣接する公園のような形で保存されており、起伏のある地形を活かした散策にもぴったりの雰囲気です。すべてが整備されているわけではありませんが、案内看板をたどりながらゆるやかに歩けば、古代の生活に思いを馳せる豊かな時間が生まれます。
人通りも少なく、鳥の声と風の音を感じながら過ごせる癒しのスポット。春の新緑や秋の紅葉も美しく、四季折々の自然とともに、横浜の深い歴史層を感じ取ることができるでしょう。
スポット情報
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アクセス:東急田園都市線「長津田駅」から徒歩15分
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備考:一部、森の中を歩くため、歩きやすい靴での訪問が推奨されます。
4. 洋光台北公園・古墳広場(磯子区)|子どもも楽しめる開放的なエリア
JR洋光台駅の近く、磯子区の「洋光台北公園」は、厳密な遺跡ではありませんが、古墳巡りの入門編として、また家族連れに最適なスポットです。この公園内には、小規模ながら古墳をイメージした「古墳広場」が整備されており、古代の雰囲気を子どもや家族と安全に楽しむことができます。
ここは、かつてこの地にあった古墳(後に調査され消滅)を記憶し、歴史を伝えるために作られた広場です。展示室や復元遺構はありませんが、広い芝生や遊具が充実しているため、ピクニックを兼ねた古墳探訪におすすめです。
地元民の憩いの場でもあるため、観光地の喧騒とは無縁の、静かでのびのびとした時間が過ごせます。週末には地元ボランティアによる古代の暮らしに関する解説イベントなどが行われることもあり、地域の歴史学習の拠点ともなっています。
スポット情報
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アクセス:JR「洋光台駅」徒歩10分
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備考:駅前には「はまぎん こども宇宙科学館」もあり、1日楽しめるエリアです。
横浜観光 古墳巡りモデルコース【後半】
ここでは、ご紹介したスポットのうち、特にアクセスが良く、見どころの多い「大塚・歳勝土遺跡公園」と「洋光台北公園」を中心に、ゆったりと巡る1日のモデルコースをご提案します。
午前:大塚・歳勝土遺跡公園で歴史探訪+ミニ博物館体験
10:00 センター北駅 到着
センター北駅を降りたら、まずは徒歩5分で「大塚・歳勝土遺跡公園」へ。駅前は近代的ですが、少し歩くとすぐに緑豊かな公園が広がります。
10:10~11:30 遺跡公園散策と博物館見学
まずは復元された竪穴住居群を巡り、弥生時代の空気に触れます。その後、隣接する横浜市歴史博物館で、出土した本物の土器や当時の暮らしを再現したジオラマを見学。知識を深めてから再び公園に戻ると、遺跡がより立体的に見えてきます。
11:30~12:00 公園で休憩
見学後は公園内で休憩。広大な芝生広場を見下ろせるベンチや木陰で、ゆったりとリフレッシュ。時期によっては、竹細工体験や古代米の試食イベントも開催されているため、事前にチェックしてから訪問するのもおすすめです。
昼:駅周辺でランチ+移動(洋光台エリアへ)
12:00~13:00 ランチタイム
センター北駅周辺はショッピングモールが充実しており、カフェやレストラン、フードコートなどランチの選択肢が豊富です。のんびり休憩しましょう。
13:00~13:45 移動(洋光台へ)
横浜市営地下鉄とJR根岸線を乗り継いで、磯子区の洋光台駅へ移動します(約40~50分)。乗り換えも比較的スムーズで、座って移動できる区間も多いため、移動時間も疲れず快適です。
午後:洋光台北公園でピクニック&古墳広場散策
14:00~15:30 洋光台北公園でリラックス
洋光台駅から徒歩10分ほどで「洋光台北公園」に到着。ここは駅前の喧騒が嘘のように静かな公園です。まずはベンチや芝生でのんびり過ごしつつ、「古墳広場」を見学。お子様連れやシニア層でも安心の平坦な園内で、無理のない散策が可能です。
近くにはスーパーやパン屋もあるため、テイクアウトして遅めのピクニックを楽しむのもおすすめ。天気の良い日にはレジャーシートを敷いて、空を眺めながら一息つくのが最高です。
夕方:駅前の喫茶店で休憩 or 早めの帰宅
15:30~ 旅のしめくくり
帰路は洋光台駅近くの喫茶店などで軽食や甘味を楽しみながら、一日の古墳旅をゆったり振り返る時間に。時間にまだ余裕があれば、電車で数駅の金沢文庫方面にも足を延ばし、「神奈川県立金沢文庫(かなざわぶんこ)」などで中世の歴史に触れ、更なる知識を深めるのもおすすめです。
横浜観光 古墳巡りの楽しみ方まとめ
今回の古墳巡りは、横浜の新たな一面を発見する旅です。その楽しみ方を最後にまとめます。
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大規模公園や住宅街の中に静かに残る古墳を巡る、慌ただしさのない“ゆる旅”が楽しめる。
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横浜にも港の開港以前、遥か古代から続く人々の営みと歴史が多く残されていることを実感できる。
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主要スポットは徒歩圏&公共交通でつながっており、シニア層でも疲れずに回れる安心感がある。
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芝生広場や自然豊かな公園と一体化しており、歴史探訪とピクニックを同時に楽しめるスポットが豊富。
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博物館のワークショップや季節のイベントを活用すれば、知識を深める体験型観光にもなる。
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何より、忙しい日常を忘れ、都市の中で静かな“時間旅行”に出かける贅沢が味わえる。
横浜といえば、どうしても近代的な街並みや華やかな海の景色が注目されがちです。しかし、その足元には、私たちが生まれる遥か昔の記憶も確かに息づいている土地なのです。
「有名観光地はもう行き尽くした」「人混みを離れて、静かで落ち着いた時間を楽しみたい」。そうお考えの方にこそ、横浜での“古墳巡り”をおすすめします。
都市の喧騒から少しだけ離れ、緑の中で古代とつながる不思議な感覚を、ぜひ体験してみてください。
あなたの知らない「もう一つの横浜」が、そこにはあります。