60代から楽しむ横浜観光|体に優しい穴場スポットとゆったりモデルコース
年齢を重ねても、ゆっくりと自分のペースで美しい街並みや文化に触れたい——そんな60代の方々にこそ、心からおすすめしたいのが、横浜の“体に優しい”観光です。
「横浜観光 60代」で検索される方の多くは、旅行やお出かけに対して、次のような思いや、少しの不安を抱えていることでしょう。
「せっかくの旅行だから無理をしたくない」「混雑や長い階段、予想外の長距離移動はできるだけ避けたい」「どうせなら、静かで落ち着いた場所や、本物の歴史・自然に触れる上質な体験をしたい」。
横浜には、こうしたニーズをすべて満たす、年齢を問わず心から楽しめる“優しい観光地”が、実は数多く点在しています。
港町の先進的でモダンなイメージと、開港以来の深い歴史や緑豊かな自然、そして芸術文化がほどよく溶け合う横浜。
ここ数年で、主要な観光施設ではバリアフリー化や段差の解消が急速に整備され、公共交通機関もシニア世代にやさしい街づくりが進んでいます。例えば、観光スポット周遊バス「あかいくつ」や市営地下鉄・バスが乗り放題になる「みなとぶらりチケット」などを活用すれば、歩く距離を最小限に抑えつつ、効率的に名所を巡ることが可能です。(出典:横浜市交通局)
この記事では、「疲れず・歩きすぎず・静かに楽しむ」を最優先キーワードに、60代以上の方が心から安心して巡れる、とっておきの穴場スポットと、移動効率を徹底的に考えた理想のモデルコースを、3000文字以上のボリュームで詳しくご紹介します。
この記事で分かる4つのポイント
- 横浜市内で“静かで快適”、そして“本物の魅力”に触れられる大人のための穴場スポットを厳選。
- 体力に自信がなくても無理なく巡れる、移動効率と休憩場所を最優先に考えたモデルコースを提案します。
- 観光周遊バスやエレベーター完備の施設をフル活用し、「歩く負担」を最小限に抑えます。
- 「思ったより疲れてしまった」という後悔をなくし、一日を充実感で満たせる、体に優しい観光プランを実現します。
60代からの横浜観光におすすめの穴場スポット
まずは、混雑する定番スポットをあえて外し、ゆっくりとした時間を過ごせる、文化的で落ち着いた場所をご紹介します。
神奈川県立歴史博物館(関内)|横浜開港の歴史に“涼しく”浸る
【!重要なお知らせ!】
神奈川県立歴史博物館は、大規模な改修工事のため、2026年(令和8年)9月頃まで全館休館中です。訪問を計画される際は、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。ここでは、再開後にぜひ訪れていただきたい場所としてご紹介します。
みなとみらい線「馬車道駅」の出口から文字通り徒歩1分という抜群のアクセス。目の前に現れる重厚なネオ・ルネサンス様式の建物は、それ自体が国の重要文化財です。ここは、かつての「横浜正金銀行本店」であり、建物自体が横浜の繁栄の歴史を物語っています。
「神奈川県立歴史博物館」は、鎌倉時代の武士の文化から、近代横浜の成り立ち、そして港町を舞台にした様々なドラマを、貴重な実物資料と共にゆっくり鑑賞できる隠れた名所です。
館内は快適な空調が完備され、床もフラット。段差はほぼなく、エレベーターでの移動が基本です。さらに、展示室の各所にはベンチや休憩スペースが随所に設けられているため、ご自身の体力に合わせて、体に一切の負担をかけずにじっくりと見学可能です。
65歳以上の方は入館料が割引になる、うれしいシニア割引の制度もあります。展示を見終えたら、馬車道エリアに点在する歴史的なガス灯を眺めながら、おしゃれなカフェやベンチで一息つくのも乙なものです。
アクセス:みなとみらい線「馬車道駅」3番・5番出口より徒歩1V分
山手111番館とイタリア山庭園|丘の上の洋館でレトロな時を
異国情緒漂う横浜・山手地区は、静かな洋館巡りに最適です。しかし、山手は「坂の街」。60代の方にはアクセスが心配かもしれません。そこでおすすめなのが、この「イタリア山庭園」エリアです。
庭園内にある「山手111番館」は、大正時代末期の趣を色濃く残す、スパニッシュスタイルの美しい白壁の洋館。館内にはアンティーク家具や開港当時の生活文化資料が品良く並び、歴史好きの方なら何度訪れても新しい発見があります。併設のカフェ「カフェ・ザ・ローズ」で、庭園を眺めながらお茶をするのも格別です。
ラクラク移動のヒント
「元町・中華街駅」の6番出口(アメリカ山公園口)には、丘の上にある「アメリカ山公園」まで直通のエレベーターとエスカレーターが完備されています。これにより、急な坂道や階段を一切登ることなく、イタリア山庭園や山手111番館まで平坦な道でアクセスできます。これは60代以上の観光に最も重要な「体に優しい」ルートです。
周囲の「イタリア山庭園」は、幾何学式に整備された美しい西洋庭園で、広すぎないため散策に最適。季節の花々(特に春と秋のバラ)や、横浜ランドマークタワーまで見渡せる港町の景色を気軽に楽しめる、まさに癒やしの空間です。
大型の観光バスが訪れることが少ないため、ゆったりと自分のペースで「横浜らしい」景色と文化を見学できるのが、シニア世代には何より嬉しいポイントです。
アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」6番出口よりエレベーター利用 徒歩約5分
三溪園(本牧)|自然と文化が溶け合う静寂の日本庭園
横浜の中心部から少しだけバスで足を伸ばせば、そこには都会の喧騒とは無縁の世界が広がっています。100年以上の歴史をもち、実業家の原三溪によって創り上げられた名園「三溪園」は、ゆったりと本物の自然と歴史を堪能したい方にぴったりの場所です。
約5万3千坪(東京ドーム3.8個分)という広大な敷地ですが、園内は主要な通路が平坦に整備されており、無理のない範囲で散策を楽しむことができます。京都や鎌倉などから移築された重要文化財を含む17棟の歴史的建造物が、四季折々の自然と見事に調和しています。
春は桜、夏は蓮、秋は紅葉と、どの季節に訪れても息をのむような美しさで、特にカメラ好き・散歩好きなシニア世代に長年愛され続けています。園内には三溪園(公式サイト)が運営する茶屋や休憩所(お休み処)も多く、こまめに休憩を挟みながら自分のペースで園内を散策できます。
雨の日でも風情があり、トイレも随所に整備されているため、どなたでも安心して訪れることができる、横浜が誇る文化の殿堂です。
アクセス:JR根岸駅から市営バス(58・99・101系統など)で約10分、「本牧」または「三溪園入口」から徒歩約5~10分
横浜人形の家|世界の人形文化を静かに見学
山下公園の目の前、港町のランドマーク「大さん橋」の近くに位置するのが「横浜人形の家」です。ここは、天候に左右されずに快適な室内で、世界中の文化に触れられる穴場スポットです。
館内では、日本各地の伝統的なひな人形や五月人形、世界100カ国以上から集められた民族人形、そして精巧なビスクドール(アンティークドール)の数々を、静かな空間でじっくりと鑑賞できます。
展示ケースの前には椅子や休憩スペースも用意されており、歩き疲れたとき(例えば、山下公園の散策後)のちょっとした休憩にも最適です。
懐かしい人形や、初めて目にする異国の文化。人形を通して日本と世界の歴史や風習にふれることで、知的好奇心が大いに満たされます。週末でも激しく混雑することが少ないため、落ち着いた大人の時間を過ごすのに最適です。
アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」4番出口より徒歩3分
60代向け横浜観光モデルコース
上記でご紹介したスポットを組み込んだ、「歩く距離は短く、満足度は高く」を実現するモデルコースです。
午前:桜木町駅スタート|「汽車道」を経て赤レンガ倉庫へ
朝はJR桜木町駅からのスタートがおすすめです。まずは駅前の広場から、港町らしい開放的な景観を堪能します。そこから「汽車道(きしゃみち)」と呼ばれる、旧鉄道の線路跡を利用したフラットな遊歩道をゆっくりと散歩します。
この道は、海の上を歩いているかのような爽快感が味わえ、ベンチも多く設置されています。途中で海風に当たりながら、みなとみらいのビル群を背景に記念撮影。無理なく歩けるのが嬉しいポイントです。
赤レンガ倉庫に到着したら、ショッピングよりも、比較的空いている午前中にカフェやレストランでのんびり休憩するのがおすすめ。館内はエレベーターが各所に完備され、通路も広くバリアフリー対応も万全なので、どなたでも安心して利用できます。
昼:大さん橋ふ頭ビルでランチ&絶景
赤レンガ倉庫からは、海沿いの平坦な道をゆっくり歩いて(またはタクシーですぐ)「大さん橋ふ頭ビル」へ。
屋上広場は「くじらのせなか」と呼ばれ、ウッドデッキと天然芝が広がる開放的な空間です。ここからの眺めは、横浜港大さん橋国際客船ターミナル(公式サイト)も推奨する、「みなとみらい」「ベイブリッジ」「赤レンガ倉庫」の3方面を一望できる絶景ポイントです。
高低差もエレベーターでスムーズに移動でき、館内のレストランでは、遮るもののない景色を眺めながら優雅なランチタイムを。晴れた日には、豪華なクルーズ船の入出港やベイブリッジの眺めを楽しむ、最高に贅沢なひとときを過ごせます。
午後:人形の家または山手111番館
午後は、その日の体調に合わせて選択します。
【Aプラン:歩きたくない・天気が心配な日】
大さん橋からすぐの「横浜人形の家」へ。快適な室内で、座りながらゆっくりと世界の文化に触れます。
【Bプラン:少し体力に余裕がある日】
みなとみらい線で一駅移動し「元町・中華街駅」へ。前述のエレベーターを使い、「山手111番館とイタリア山庭園」で西洋の文化と美しい花々に癒やされます。
いずれも人混みを避け、落ち着いた雰囲気の中、ゆったりと午後を過ごせる大人のための穴場です。
夕方:元町でお茶とショッピング
旅の最後は、元町ショッピングストリートへ。石畳の美しいアーケードが続き、雨の日でも歩きやすい環境が整っています。この通りは、昔ながらの老舗と新しいブティックが共存する、上品な雰囲気が魅力です。
老舗の喫茶店「霧笛楼(むてきろう)」や、タカノフルーツパーラー、和菓子屋「香炉庵(こうろあん)」などで上質なお茶の時間を楽しみ、休憩ポイントや公衆トイレも充実しています。
無理せず、気の向くままにウィンドウショッピングを楽しむ。60代ならではの上質な時間が、旅の終わりを豊かに彩ります。
横浜観光 60代向けまとめ
横浜は、60代からの「体に優しい旅」に最適なデスティネーションです。
- 歩く距離を最小限に抑えつつ、港町の風情や深い歴史・文化をしっかり体感できるスポットが揃っています。
- バリアフリーやエレベーター、エスカレーターなど、年齢や体力を問わず快適に利用できる公共施設が充実しています。
- 美術館・庭園・博物館といった「座って楽しめる」文化施設が中心部に集まっているため、効率よく移動できます。
- 清潔な休憩場所やトイレも観光地の随所に多く、どなたでも安心して一日を快適に過ごせます。
歳を重ねた今だからこそ、「静かに、丁寧に、心豊かに」味わう横浜の旅。
あえてスローペースで巡ることで、急いでいた時には見えなかった街の新しい表情や、自分だけの特別な思い出がきっと見つかります。
無理のないスケジュールと、美しい景色、そして穏やかな時間——
横浜は、知的好奇心旺盛な60代のあなたにこそ、ぴったりの旅先です。