城ヶ島の夜は危ない?事故の真相や駐車場情報を徹底解説

満天の星空が広がる城ヶ島(じょうがしま)の夜の磯場の絶景と、荒々しい波の様子。夜の城ヶ島が持つ美しさと危険性を象徴する風景。 横浜ではないのだけれど
横浜で現実逃避作成イメージ

城ヶ島の夜は危ない?事故の真相や駐車場情報を徹底解説

城ヶ島へ夜に行きたいけれど「危ない」という噂を聞いて、どうしても不安が拭えないという方も多いのではないでしょうか。検索窓に「城ヶ島」と打ち込むと、サジェスト機能で「夜 危ない」「転落」「心霊」といった不穏な単語が並ぶため、これから楽しい夜釣りや星空撮影を計画している身としては、躊躇してしまうのも無理はありません。私自身、初めて夜の城ヶ島へカメラを持って出かけた際は、駐車場のゲートが閉まっていたらどうしようとか、真っ暗な磯で道に迷って遭難したらどうしようと、楽しみよりも恐怖が勝っていたのを覚えています。しかし、実際に現地に通うようになり、正しい知識と装備さえあれば、これほど魅力的な場所はないとも感じるようになりました。この記事では、私が実際に現地で体験し、徹底的にリサーチして分かった「リアルな危険性」と、それを回避するための「具体的な安全対策」を包み隠さずお話しします。

  • 城ヶ島と他地域の事故情報の違い
  • 夜の磯に潜む具体的な危険生物
  • 夜間利用可能な駐車場と料金システム
  • 安全に楽しむための装備と心構え

城ヶ島の夜が危ない理由と事故の真実

城ヶ島の夜が「危ない」と言われる背景には、単なる「暗闇への恐怖」だけではない、物理的かつ環境的な要因が複雑に絡み合っています。ネット上の噂話レベルのものから、生命に関わる深刻なリスクまで、その要因は多岐にわたります。まずは、なぜこれほどまでに危険視されているのか、その根本的な理由を事実ベースで整理し、正体不明の不安を明確なリスク認識へと変えていきましょう。

城ヶ崎の転落事故との混同に注意

まず最初に、これから城ヶ島へ行こうとしている皆様に最も強くお伝えしたいのが、インターネット上の検索結果における「場所の混同」についてです。「城ヶ島 転落事故」や「磯釣り 死亡」といったキーワードで検索を行うと、非常に痛ましいニュース記事やブログがヒットすることがあります。しかし、これらを詳細に読み解くと、実はその多くが静岡県伊東市にある「城ヶ崎(じょうがさき)」で発生した事故であるケースが非常に多いのです。

「城ヶ島(じょうがしま)」と「城ヶ崎(じょうがさき)」。名前の響きが似ている上に、どちらも「断崖絶壁の景勝地」であり「磯釣りのメッカ」であるという共通点があるため、ニュースの見出しだけを見たユーザーが「また城ヶ島(神奈川)で事故があったのか」と誤認してしまうパターンが後を絶ちません。情報の受け手として、まずはそのニュースが「三浦市の城ヶ島」のことなのか、「伊豆の城ヶ崎」のことなのかを冷静に確認する必要があります。

ここがポイント

検索結果に出てくる事故情報のすべてが、三浦市の城ヶ島ではありません。まずは発生場所の住所を確認し、情報の取捨選択を行いましょう。

ただし、これは「城ヶ島なら安全だから安心して良い」という意味では決してありません。むしろ逆です。城ヶ崎で起きている転落事故や高波による事故は、城ヶ島でも全く同じメカニズムで発生し得ます。地形の険しさ、波の荒さ、足場の滑りやすさといったリスク要因は共通しています。「場所が違うから関係ない」と切り捨てるのではなく、「同じような岩場では、プロでも命を落とす危険がある」という教訓として、他地域の事例を自分事として捉える姿勢こそが、夜の磯での生存率を高める鍵となります。

磯場の暗闇と足元の危険性

強力なヘッドライトとスパイクシューズを着用した人が、夜の濡れた岩場に走る深いクレバス(割れ目)を注意深く避けている様子。磯場の暗闇と足元の危険性を示す。

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都市部の公園や整備された堤防に慣れていると想像しにくいかもしれませんが、夜の城ヶ島、特に南側の広大な磯場や「馬の背洞門」付近は、人工的な明かりがほとんど届かない「本物の闇」に包まれます。晴れた満月の夜であれば月明かりで多少は歩けますが、新月の夜や曇天の日は、自分の手のひらさえ見えにくいほどの漆黒の世界となります。

城ヶ島の岩場は、長年の波風による浸食で鋭く尖っていたり、複雑に入り組んだクレバス(深い割れ目)が走っていたりと、昼間でも歩行に注意が必要な地形です。視界が奪われた状態でこの上を歩くリスクは計り知れません。

  • 見えないクレバス: ヘッドライトの光が届かない足元の死角に深い割れ目があり、踏み抜けば骨折や打撲は免れません。最悪の場合、そのまま海へ転落する恐れもあります。
  • ブラックアイスのような岩肌: 濡れた岩場、特に海苔や海藻が付着した岩は、夜露や波飛沫で濡れると氷の上のように滑ります。暗闇では「どこが滑る岩か」を目視で判断することが極めて困難です。

「スマホのライトがあれば何とかなるだろう」という考えは、城ヶ島の磯では命取りになります。岩場で転倒しかけた際、スマホを持っている片手が塞がっていれば、受け身を取ることができず、顔面や頭部を岩に強打するリスクが高まります。両手を常にフリーにし、強力なヘッドライトで足元を照らすことは、選択肢ではなく必須条件だと考えてください。

野生動物のイノシシ遭遇リスク

夜の草むらの遊歩道で野生のイノシシに遭遇し、ゆっくりと後退して距離を取るアジア人男性の様子。城ヶ島におけるイノシシ遭遇のリスクを示す。

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海辺に来ると、どうしても意識は「海」や「魚」に向きがちですが、城ヶ島においては「背後の陸地」にも警戒が必要です。実は、城ヶ島は野生のイノシシが出没するエリアとして地元では知られており、実際に公園内には注意喚起の看板も設置されています。

イノシシは本来、警戒心が強い動物ですが、人通りが絶える夜間はエサを求めて活発に行動する傾向があります。特に、駐車場から釣り場へ向かう遊歩道や、草木が生い茂る茂みの近くを通る際は注意が必要です。「ガサガサ」という音が聞こえたり、鼻を鳴らす音が聞こえたりした場合は、すぐ近くに彼らが潜んでいる可能性があります。

遭遇してしまったら

もしイノシシに出くわしてしまっても、絶対に大声を出したり、石を投げたりして刺激してはいけません。彼らも防衛本能でパニックになり、突進してくる恐れがあります。背中を見せて走って逃げるのもNGです。視線を外さずに、ゆっくりと後退して距離を取りましょう。

釣れる毒魚や危険生物の種類

夜釣りの外道として釣れた毒魚を、素手で触らずにフィッシュグリップ(魚ばさみ)とプライヤーで安全に処理している様子のクローズアップ。

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夜釣りは昼間には釣れない大物が狙える魅力的なアクティビティですが、同時に「触ってはいけない危険な生物」の活性も上がる時間帯です。特に初心者が、暗がりでよく魚体を確認せずに素手で掴んでしまい、毒針に刺されて救急搬送されるケースは後を絶ちません。

城ヶ島周辺で夜間によく遭遇する、特に注意すべき危険生物をご紹介します。

ゴンズイ(集団で襲う毒棘)
夜釣りの外道として最も悪名高いナマズの仲間です。「ゴンズイ玉」と呼ばれるほど集団で行動するため、一匹釣れると入れ食い状態になることがあります。背びれと胸びれに強力な毒棘を持っており、刺されると激痛が走り、患部が壊死することもあります。死んでも毒は残るため、放置された死骸を踏まないよう注意が必要です。
ハオコゼ・オニカサゴ(美しい見た目の罠)
カサゴに似ていますが、背びれなどのトゲに猛毒を持っています。暗い中では普通のカサゴと見分けがつきにくいため、「カサゴだ!」と喜んで掴んだ瞬間に刺される事故が多発しています。魚種が100%判別できない場合は、絶対に素手で触れてはいけません。
ウツボ(海のギャング)
岩陰やテトラポットの隙間から飛び出してきます。毒はありませんが、恐ろしいほどの顎の力と、カミソリのように鋭い歯を持っています。釣り上げた後に暴れるウツボに指を噛みちぎられる大事故に繋がることもあります。

夜釣りにおいては、「魚ばさみ(フィッシュグリップ)」と「プライヤー(ペンチ)」は必須アイテムです。自分の身を守るためにも、魚には直接触れない習慣をつけましょう。

心霊スポットの噂と実際の治安

「城ヶ島 夜 危ない」という検索意図の中には、少なからず「心霊現象」への懸念が含まれていることでしょう。確かに、城ヶ島は神奈川県内でも有名な観光地であり、長い歴史の中で水難事故や自ら命を絶つ方がいたことも事実です。そのため、ネット上では「心霊スポット」として語られることもあります。

しかし、私が何度も夜の城ヶ島を訪れて肌で感じた結論は、「幽霊よりも、生きたイノシシや毒魚、そして足元の不安定な岩場の方が、遥かに物理的で差し迫った危険である」ということです。オカルト的な恐怖に気を取られて足元がおろそかになることの方がよほど危険です。

また、治安という観点では、「孤独」が最大のリスクとなります。夜の城ヶ島、特に磯の先端部分は人通りが皆無になります。万が一、転倒して動けなくなったり、不審者に遭遇したりした場合、周囲に助けを求めることは不可能です。女性だけのグループや、完全な単独行動は防犯上の観点からも避けるべきです。何かあった時のために、必ず複数人で行動し、連絡手段を確保しておくことが、心霊対策よりも重要な「現実的な安全対策」となります。

城ヶ島の夜を危ない状態にしない対策と駐車場

ここまで脅かすようなことばかり書いてしまいましたが、それでも夜の城ヶ島には、それらのリスクを乗り越えてでも見に行く価値のある絶景と体験が待っています。ここからは、これまで挙げたリスクを最小限に抑え、トラブルなく安全に夜の時間を楽しむための具体的な対策と、絶対に知っておくべき駐車場の複雑なルールについて解説します。

夜間の駐車場閉鎖と料金の罠

夜間に閉鎖された駐車場の金属製ゲートと、その内側に閉じ込められてしまった車の様子。夜間閉鎖と料金システムの間違いの危険性を示す。

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車で城ヶ島を訪れる際、最も気をつけなければならないのが「どこの駐車場に停めるか」という問題です。ここを間違えると、「夜釣りを楽しんで帰ろうとしたら車が出せない」という最悪の事態や、想定外の駐車料金を請求されるトラブルに見舞われます。

城ヶ島の駐車場は大きく分けて「東側(公園側)」と「西側(商店街側)」に分かれますが、その運用ルールは全く異なります。

特徴 東側:城ヶ島公園駐車場 西側:第4駐車場など
夜間の利用 不可(完全閉門) 可能(24時間入出庫可)
営業時間 8:00~17:00(4月-9月は19:00まで) 24時間営業
主なターゲット 昼間のピクニック・公園散策 夜釣り・星空撮影・早朝利用

東側の「県立城ヶ島公園駐車場」は、営業時間が終了するとゲートが施錠され、翌朝まで一切車を出すことができなくなります。夜の活動を予定している場合は、必ず橋を渡って右折し、お土産屋さんや漁港がある「西側」の駐車場を利用してください。

料金の「日付またぎ」に注意!

西側の駐車場は24時間利用可能で便利ですが、料金システムに「罠」があります。多くの駐車場で「0時(深夜24時)を過ぎると料金が加算される(実質2日分になる)」仕組みになっています。例えば、23時に駐車して、日付が変わった翌1時に出庫した場合、滞在時間はたった2時間ですが、2日分の駐車料金がかかることがあります。精算時に「高い!」と驚かないよう、小銭(千円札)は多めに用意しておきましょう。

夜釣りの装備とライフジャケット

夜の磯に立つということは、自然の脅威の真っ只中に身を置くということです。街中の釣りの延長で考えてはいけません。装備は「快適さ」ではなく「生存」のために選びましょう。

ライフジャケットは常時着用

泳げる人であっても、服を着て靴を履いた状態で、しかも夜の暗い海に落ちればパニックになります。ライフジャケットは、万が一の際に海面に浮き続け、救助を待つための唯一の命綱です。膨張式よりも、磯での擦れに強い固型式(浮力体が入っているベストタイプ)が推奨されます。

スパイクシューズの重要性

海藻や苔が付着して滑りやすい磯の岩場をしっかりと捉えている、金属ピン付きのスパイクシューズ(フェルトスパイクシューズ)の靴底の様子。

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城ヶ島の磯は、場所によっては海苔や海藻がびっしりと付着しています。スニーカーやゴム底の長靴では、氷の上を歩くように滑って転倒します。必ず、靴底に金属のピンが埋め込まれた「スパイクシューズ」または「フェルトスパイクシューズ」を着用してください。これがあるだけで、安全性は劇的に向上します。

高光度ヘッドライトと予備電池

足元だけでなく、数メートル先の波の状況や地形を確認するためには、ある程度光量の強いヘッドライトが必要です。また、使用中に電池が切れると、その瞬間に遭難状態になります。必ず予備の電池や、バックアップ用のライトを持参しましょう。

星空撮影は馬の背洞門へ行くべし

満天の星空が広がる城ヶ島(じょうがしま)の夜の磯場の絶景と、荒々しい波の様子。夜の城ヶ島が持つ美しさと危険性を象徴する風景。

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リスク対策を万全に整えたなら、ぜひ目指してほしいのが城ヶ島が誇る絶景スポットです。特におすすめなのが、「馬の背洞門(うまのせどうもん)」越しに見る天の川です。波の浸食によってできた巨大な岩のアーチの上に、満天の星空が広がる光景は、関東近郊とは思えないほどの神秘的な美しさです。

ただし、この場所へ行くには駐車場から急な階段を下り、砂浜とゴツゴツした岩場を15分〜20分ほど歩く必要があります。カメラ機材と三脚を持っての移動はバランスを崩しやすいので、手提げカバンではなく、両手が自由になるリュックサックスタイルで挑んでください。

撮影のベストタイミングと下見のススメ

星空撮影のベストタイムは、月明かりの影響を受けない「新月」の前後の期間です。しかし、それは同時に「最も足元が暗い日」でもあります。初めて行く場合は、いきなり夜に行くのではなく、明るい日中に一度ルートを確認(下見)しておくことを強くおすすめします。どこが歩きやすいか、どこに段差があるかを知っているだけで、夜間の移動リスクは大幅に軽減されます。

潮位変化と高波への警戒

磯遊びや釣り、撮影に夢中になっていると、ついつい忘れがちになるのが「潮位の変化」です。干潮(潮が引いている時)に歩いて渡れた場所が、満潮に向かって潮が満ちてくると水没し、帰りのルートが断たれてしまうことがあります。特に城ヶ島の磯は起伏が激しいため、気づかないうちに背後の低い場所が水没し、中洲に取り残される危険性があります。

また、夜の海は波の高さが見えにくいのが最大のリスクです。常に一定のリズムで波が来るわけではなく、数十分の一回、あるいは数百回に一回の頻度で、突発的な大波(セット)が押し寄せることがあります。「ここは濡れていないから大丈夫」と思っていても、その乾いた岩は、さっきの大波が引いた後の仮の姿かもしれません。

気象庁等が発表している潮位表を事前に確認し、常に「逃げ道」を確保しつつ、波打ち際からは十分すぎるほどの距離を取るようにしてください。自然相手に「だろう運転」は通用しません。

(出典:気象庁『潮位表』

車でのアクセスと通行止め情報

城ヶ島へ車でアクセスする場合、三浦半島の先端から「城ヶ島大橋」を渡ることになります。かつてはこの橋は有料道路でしたが、現在は無料開放されており、気軽に往来できるようになりました。これにより、夜間のドライブコースとしても人気が高まっています。

ただし、橋の上は海風が直接吹き抜けるため、強風時はハンドルを取られやすくなります。特にバイクで夜間に走行する場合は、突風や横風に煽られないよう十分な注意が必要です。また、台風の接近時や極端な悪天候の際は、安全のために通行止めになる可能性もあります。

城ヶ島内にはコンビニエンスストアがありません(かつてはありましたが閉店しました)。夜間の食料や飲み物の調達は困難ですので、城ヶ島大橋を渡る前に、三浦市内のコンビニ等で必要な物資を全て購入しておくのが鉄則です。

城ヶ島の夜は危ないが準備で防げる

ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。城ヶ島の夜には、確かに「危ない」要素がたくさんあります。しかし、それは「何も知らず、何の準備もせずに行く」から危ないのであって、リスクを正しく理解し、適切な装備と心構えを持っていれば、必要以上に恐れることはありません。

真っ暗な海、不気味なほどの静けさ、そして見上げれば降るような満天の星。この非日常感とスリルは、しっかりと準備をした人だけが味わえる特権です。ぜひ、ライフジャケットや適切なライトなどの装備を整え、安全第一で横浜からの現実逃避を楽しんできてください。ただし、現地に着いて少しでも「波が高いな」「風が強いな」「なんか怖いな」と感じたら、無理をせず引き返す勇気を持つこと。それが、長く遊び続けるための最大の秘訣です。

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