横浜ハンマーヘッドはいつできた?クレーンと施設の歴史
横浜のみなとみらいを散策していると、海に向かって突き出すように立つ巨大な鉄の構造物「ハンマーヘッド」が目に入りますよね。あの独特な存在感を放つシンボルは、いったいいつできたのだろう?と、その生い立ちや背景に興味を惹かれる方も多いのではないでしょうか。
実はこの場所、100年以上も前から横浜港を見守り続けてきた歴史的なクレーンと、2019年にその足元にオープンした真新しい複合施設という、二つの異なる時代が交差する特別なスポットなんです。新旧の魅力が共存するこの場所について、私が調べた情報を分かりやすく、そして少し深掘りしてシェアしたいと思います。
- 1914年に完成したクレーンが持つ歴史的背景
- 2019年に開業した複合施設の全体像と構成
- 施設内の見どころや、注意したい閉店情報
- 知っておかないと損をするアクセスと駐車場の罠
横浜ハンマーヘッドはいつできた?歴史的クレーンの起源
まずは、施設の名前の由来であり、この場所の絶対的なシンボルであるクレーンそのものが「いつできたのか」という歴史から紐解いていきましょう。私たちが想像する以上に、このクレーンは長い時間を横浜港と共に過ごしてきた、まさに「生き証人」のような大先輩なんですよ。
1914年に完成した歴史的クレーン

横浜で現実逃避作成イメージ
現在、私たちがシンボルとして親しんでいる「ハンマーヘッドクレーン」ですが、その完成はなんと1914年(大正3年)にまで遡ります。イギリスで製造されたこの巨大なクレーンは、はるばる海を越えてこの横浜の地に移設されました。
当時の日本は急速な近代化の真っ只中。貿易の玄関口である横浜港には、より大きく、より重い荷物を効率よく積み下ろしする能力が求められていました。このクレーンは、最大50トンもの重量を持ち上げることができた最新鋭の設備として、日本の発展を力強く支えてきたのです。大正時代の古い写真を見ると、今と変わらない位置にこのクレーンが堂々と立っている姿が確認でき、100年以上の時を超えて同じ景色の中に存在していることに、深いロマンを感じずにはいられません。
ハンマーヘッドという名前の由来
「ハンマーヘッド」という少し変わった名前は、その見た目が金槌(カナヅチ=ハンマー)の頭の形に似ていることから自然と広まった愛称です。専門的には「ジャイアント・カンチレバークレーン」といった形式に分類されるそうですが、今の愛称の方が親しみやすくて素敵ですよね。
高さは約30メートル、腕(ジブ)の長さは約43メートルにも及びます。この長い腕が旋回することで、広範囲の荷役を可能にしていました。その機能美とも言える力強いシルエットは、長年横浜の港湾労働者たちを見守り、今では訪れる観光客の目を楽しませる、かけがえのない風景の一部となっています。
土木遺産としての歴史的価値
このクレーンは、単に「古い機械」というだけではありません。日本の港湾インフラがどのように発展してきたのか、その技術的な歴史を今に伝える極めて貴重な資産です。その価値は専門家からも高く評価されており、土木学会からは「推奨土木遺産」としての認定も受けています。
2019年に周辺一帯が新しい商業エリアとして再開発される際にも、この老朽化したクレーンを取り壊すのではなく、「この場所のアイデンティティ」としてあえて保存・活用するという英断が下されました。古いものを大切に残しながら、そこに新しい価値を組み合わせていく。いかにも横浜らしい、粋な取り組みだと私は思います。
クレーンを望むハンマーヘッドパーク

横浜で現実逃避作成イメージ
歴史的なクレーンの足元は、現在「ハンマーヘッドパーク」という美しい公園として整備され、2020年3月から誰でも自由に入れるようになりました。
ここは、クレーンを真下から見上げることができる絶好のビューポイントです。リベットで打ち留められた武骨な鉄骨のディテールや、長年の潮風に耐えてきた重厚な質感を間近で感じることができます。海に囲まれたデッキからは、みなとみらいのビル群と歴史的遺産のコントラストを一望でき、特に夕暮れ時の雰囲気は最高ですよ。ベンチに座って潮風を感じながら、かつての港の賑わいに思いを馳せてみるのも、とても贅沢な時間の過ごし方かもしれません。
複合施設としての横浜ハンマーヘッドはいつできたのか
続いては、私たちが実際に食事やショッピング、宿泊を楽しめる現代の複合施設「YOKOHAMA HAMMERHEAD」について詳しく見ていきましょう。歴史的クレーンの名前を受け継ぎ、「客船ターミナル」を核とした新しい横浜の「海の駅」として誕生しました。
2019年の開業日と段階的なオープン

横浜で現実逃避作成イメージ
複合施設としての「YOKOHAMA HAMMERHEAD」は、2019年(令和元年)10月に開業しました。実は、全ての施設が一斉にスタートしたわけではなく、以下のように段階的にオープンして、徐々にその全貌を現していった経緯があります。
| 時期 | 開業した施設・出来事 |
|---|---|
| 2019年10月 | 商業施設「ハンマーヘッド SHOP & RESTAURANT」が先行開業 |
| 2019年11月 | 「インターコンチネンタル横浜Pier 8」と「新港ふ頭客船ターミナル」が開業 |
| 2019年11月4日 | 大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」が第1号として入港 |
| 2020年3月 | 「ハンマーヘッドパーク」が全面オープン |
特に2019年11月、真新しいターミナルに巨大な豪華客船が接岸した光景は圧巻でした。「街」と直結した「陸・海・空」の玄関口という「ウミエキ」のコンセプトが、名実ともに動き出した瞬間と言えるでしょう。
商業施設やホテルなど何があるか

横浜で現実逃避作成イメージ
この施設がユニークなのは、単なるショッピングモールではないという点です。「食」をテーマにした体験体感型の商業施設、ラグジュアリーなホテル、そして国際クルーズ船のターミナル(CIQ施設)が三位一体となっています。
特に私たち一般の利用者が楽しめる商業エリアは、「ファクトリー(工場)」の要素が強く打ち出されています。ガラス越しにスイーツが作られていく工程を見学できたり、焼きたて・作りたてをその場で味わえたりと、ただ買うだけではない「体験」ができるのが大きな特徴です。横浜銘菓の「クルミッ子」や「ありあけハーバー」の製造ファクトリーは、いつ行っても甘い香りに包まれていて幸せな気分になれますよ。
インターコンチネンタル横浜Pier 8

横浜で現実逃避作成イメージ
施設の3階から5階部分を占めるのが、「インターコンチネンタル横浜Pier 8」です。世界的なホテルブランドでありながら、客室数は173室とあえて抑えられており、その分プライベート感を重視した質の高いサービスが提供されています。
最大の特徴は、なんといっても「埠頭(ふとう)の上にある」という希少な立地でしょう。三方を海に囲まれているため、客室の大きな窓からは、まるで海の上に浮かんでいるかのようなダイナミックな港の景色を独り占めできます。記念日などの特別な日に、いつかは泊まってみたい憧れのホテルですね。
閉店したラーメンフードホールについて
開業当時、大きな目玉の一つとして多くのメディアでも取り上げられた「JAPAN RAMEN FOOD HALL」ですが、残念ながら2025年10月31日をもって閉鎖されました。個性的なラーメン店が集まる人気スポットだっただけに、私も含めファンにとっては寂しいニュースでした。
情報収集の際はご注意ください インターネット上には、まだラーメンホールが営業しているかのように書かれた古い記事やガイド情報が残っていることがあります。これから訪問を計画される方は、必ず横浜ハンマーヘッド公式サイトで最新のテナント情報を確認することをおすすめします。
アクセス方法と駐車場の料金システム
横浜ハンマーヘッドへのアクセスは、電車であればみなとみらい線の「馬車道駅」(徒歩約10分)や「みなとみらい駅」(徒歩約12分)が最寄りです。JR桜木町駅からも、汽車道を経由して海沿いの景色を楽しみながら歩けば15分ほどで到着します。
そして、車で訪れる方に絶対に知っておいてほしいのが、少し特殊な駐車場の料金システムです。ここを知らずに行くと、思わぬ高額出費になってしまう可能性があります。
| 利用タイプ | 料金システムの特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般利用 (食事・買物など) | 30分ごとに料金加算 平日・休日問わず最大料金設定なし | 長時間滞在すると料金が高額になりやすい。 店舗利用による割引サービス(最大2時間無料)の活用が必須。 |
| クルーズ乗船客 | 1日1,000円の定額制 (要手続き) | 乗船当日にカウンターでの申請が必要。 長期駐車でも安心な設定。 |
車で行く場合の重要ポイント 表の通り、一般の買い物や食事での利用には「最大料金」がありません。例えば、みなとみらい周辺を1日中観光するためにここに車を停めっぱなしにすると、大変な金額になってしまいます。長時間駐車する場合は、周辺の最大料金が設定されている駐車場を利用し、そこから歩くのが賢明です。
横浜ハンマーヘッドがいつできたか総括
まとめると、「ハンマーヘッド 横浜 いつできた」という疑問への答えは、二つの時代に分けられます。
- 1914年(大正3年):歴史的なハンマーヘッドクレーンが完成
- 2019年(令和元年):現在の複合施設「YOKOHAMA HAMMERHEAD」が開業
100年以上の時を超えて、かつて日本の近代化を支えた産業遺産が、いま再び現代の新しい賑わいの中心として生まれ変わりました。次に訪れる際は、ぜひこの長い歴史の物語を感じながら、美味しい食事や素晴らしい景色を楽しんでみてくださいね。