横浜観光 水道みち緑道というのがある|自然と歴史を感じる静かな散歩道
観光地の喧騒を離れて——「水道みち緑道」で癒しの横浜を歩く旅
「横浜観光 水道みち緑道というのがある」という言葉を聞いたとき、あなたはどんな景色を想像するでしょうか?多くの方が思い浮かべる横浜のイメージは、おそらく赤レンガ倉庫の歴史的な建造物群、あるいは、みなとみらいの近未来的な高層ビル群や賑やかな中華街かもしれません。
しかし、この「水道みち緑道」は、そうした華やかな観光地の喧騒からは少し離れた場所にひっそりと存在しています。ここは、かつて横浜の近代化を支えた水道管のルート跡地を活用して整備された、緑豊かな散策路です。保土ヶ谷区から戸塚区を中心に、緑と住宅街がゆるやかに交差し、全長約8kmにわたって続いています。
観光ガイドブックの表紙を飾ることは稀ですが、地元住民にとっては日常の癒しと健康づくりの場として深く愛されています。この記事では、横浜観光のリピーターや、人混みを避けて静かな時間を過ごしたい方へ向けて、水道みち緑道の隠された魅力、その歴史的背景、具体的なアクセス方法、そして無理なく楽しめるモデルコースを詳しくご紹介します。観光客が少ない穴場だからこそ味わえる、自分のペースでゆっくりと自然と触れ合う特別な横浜散歩へ、あなたも出かけてみませんか?
記事のポイント4つ
-
「水道みち緑道」は自然と歴史が融合した散策路
-
横浜市の中心部から少し離れた、静かで安心して歩ける穴場観光地
-
高齢者や小さな子ども連れにもやさしいコース設計
-
花・緑・ベンチ・景観など、四季折々の魅力が楽しめる
横浜観光 水道みち緑道というのがある——緑と暮らしの距離が近い散策路
1. 水道みち緑道とは?|横浜の“裏みち名所”の歴史
水道みち緑道がなぜ生まれたのか、その背景には横浜の近代化の歴史が深く関わっています。明治時代、開港により急速に発展した横浜では、人口増加と同時にコレラなどの伝染病が深刻な問題となりました。この対策として、安全な飲料水の確保が急務となり、日本初の近代水道が建設されることになったのです。
この緑道は、その当時、相模川水系から引かれた水を横浜市中心部へ送るための送水管が埋設されていたルートの真上に整備されました。地下には今も現役の水道管が走っており、私たちの生活を支え続けています。長年にわたり、管理用通路として利用されてきたこの道は、近年、横浜市によって歩行者専用の緑道として本格的に整備が進みました。今では舗装された歩道、随所に設けられた案内板、休憩用のベンチ、そして清潔なトイレも設置され、誰もが安心して散策を楽しめるウォーキングコースとして親しまれています。(出典:横浜市水道局「横浜水道の歴史」)
2. 全長とエリア構成|どこからどこまで歩けるの?
水道みち緑道は、概ね保土ヶ谷区の「狩場町」付近から戸塚区の「俣野町」に至るまで、全長約8kmに及びます。全線を踏破するには数時間かかりますが、緑道はいくつかの区間に分かれており、体力や時間に合わせて好きな区間だけを選んで歩けるのが大きな魅力です。
区間ごとに景色や道の雰囲気が異なり、歩くたびに新しい発見があります。
エリア別のおすすめポイント
-
狩場〜今井町エリア:比較的起伏が少なく、両側を木々に囲まれた静かな道が続きます。まるで森林浴をしているかのような気分を味わえ、リフレッシュに最適です。道幅も広く、ベビーカーでも安心して通行できます。
-
永田〜別所エリア:閑静な住宅街の中を縫うように道が続きます。途中には公園が点在しており、地域の子どもたちの遊び場にもなっています。暮らしの風景と緑が融合した、心温まるエリアです。
-
踊場〜戸塚エリア:なだらかな坂があり、ところどころ視界が開けます。沿道には市民の手によって手入れされた花壇や、のどかな畑の風景が広がり、景色の変化に富んでいます。
それぞれのエリアには、休憩ポイントとしてベンチや四阿(あずまや)が点在しています。そのため、どこから歩き始めても、どこで終えても良く、自分のペースで無理なく楽しめるよう配慮されています。
3. 季節の見どころと自然の魅力
水道みち緑道は、一年を通して訪れる人々の目を楽しませてくれる自然の宝庫です。どの季節に訪れても、その時期ならではの美しい表情に出会えます。
春は、なんといっても桜並木が見事です。特に踊場駅周辺では見事な桜のトンネルができ、多くの花見客で賑わいます。足元には菜の花やパンジーなども咲き誇り、春の訪れを告げてくれます。夏になると、木々は濃い緑の葉を茂らせ、強い日差しを遮る涼しい木陰を作ってくれます。響き渡るセミの声を聞きながら歩けば、日本の夏を実感できるでしょう。秋には、桜の葉が色づき始め、ケヤキやイチョウが美しい紅葉を見せます。金木犀の甘い香りが漂う中での散策は、心穏やかな時間をもたらします。そして冬、葉を落とした木々の間からは、空気が澄んだ日には遠くの山々や、場所によっては富士山を望むこともできます。静寂の中で自分の足音だけを聞きながら歩くのも一興です。
なかでも「中永谷あたり」は、小さな流れ(せせらぎ)や丁寧に管理された花壇が整備されており、特に人気のスポットです。メダカが泳ぐ姿や、季節の花々を写真に収めようと訪れる地元の方も多く、自然とのふれあいに深く癒されるエリアとなっています。
4. アクセス方法と最寄り駅
水道みち緑道は、特定のスタート地点やゴール地点が設けられているわけではなく、ルートの各所からアクセスが可能です。公共交通機関を利用して、緑道の途中の区間から合流するのが最も便利な方法です。
ここでは、主要なアクセスポイントをいくつか紹介します。
主なアクセス方法
-
JR東海道線・横須賀線「戸塚駅」
西口から徒歩約15分で、緑道の戸塚エリア合流点(国道1号線付近)にアクセスできます。散策の起点としても終点としても便利な駅です。 -
横浜市営地下鉄ブルーライン「踊場駅」
駅から徒歩わずか5分程度で緑道に合流可能です。モデルコースのスタート地点として最もおすすめです。 -
京急線「弘明寺駅」またはJR「東戸塚駅」からバス利用
各駅からバスに乗り「芹が谷」バス停で下車すると、緑道の中間地点(永田・別所エリア)にすぐに合流できます。
このように、公共交通を使って複数の区間を「ハシゴ」することも難しくありません。行きと帰りのルートや駅を変えることで、さまざまな景観を効率よく楽しむことができます。
横浜観光 水道みち緑道というのがある——モデルコースで癒しの半日旅へ
ここでは、初めて水道みち緑道を訪れる方のために、特に歩きやすく見どころの多い「踊場駅」周辺を中心とした、約2〜3時間の癒しの半日モデルコースをご提案します。
午前:永田〜踊場エリアを散策(約3km)
スタートは、横浜市営地下鉄「踊場駅」からが便利です。この駅名は、かつてこの地で猫が踊っていたという伝説に由来するとも言われています。駅周辺の静かな住宅地を抜けると、すぐに緑豊かな水道みち緑道に入ることができます。
春には見事な花壇と桜並木が広がり、歩くだけで心が華やぎます。道は基本的に平坦で、木陰も多いため、夏場でも比較的快適に散策できます。途中、いくつも設置されているベンチで一休みし、持参した水筒でお茶を飲んだり、静かに読書を楽しんだりするのも良いでしょう。鳥のさえずりや湧き水を眺めながら、心を整える贅沢な時間にぴったりのコースです。
昼:中永谷エリアでランチと小休憩
散策の途中で、ちょうどお昼時に中永谷エリアに差し掛かります。この周辺には、緑道から少し足を伸ばすと、ローカルなパン屋さんやカフェ、コンビニエンスストアなどがあります。観光地ではないため選択肢は限られますが、それもまた地域密着の旅の醍醐味です。
テイクアウトしたお弁当やパンを、緑道沿いのベンチや四阿(あずまや)で食べるのも格別な体験になります。また、時間があれば近くの「中永谷市民の森」へ立ち寄るのもおすすめです。緑道とはまた違った、少し起伏のある里山の自然に触れることができ、より一層深く自然と親しむことができます。
午後:戸塚方面へ向けてラストウォーク(約2km)
午後は、さらに戸塚駅方面へ向けて歩みを進めます。この区間は、やや勾配のある坂道も含まれますが、道幅は広くしっかりと整備されているため、自分のペースで安全に歩くことが可能です。
道中には、地元の方々が愛情を込めて育てている市民花壇や、季節の野菜が育つ畑が広がります。観光地で見る「作られた景色」とは異なる、「地域の暮らし」そのものが感じられる風景が続きます。こうした日常の営みにそっと触れられることこそ、水道みち緑道散策の大きな魅力と言えるでしょう。
ゴール:戸塚駅でカフェ休憩&帰路へ
緑道を最後まで歩き通すと、戸塚駅周辺の市街地に出てきます。ゴールとなる戸塚駅はJR線と地下鉄が乗り入れるターミナル駅で、駅ビルや周辺には多くのカフェや飲食店、商業施設が充実しています。
散策で心地よく疲れた後は、駅近くのカフェでほっと一息つきましょう。全体で1〜2時間程度のゆったりとした散歩旅ながら、しっかりとした達成感と深い癒しを感じられるはずです。帰路のアクセスが非常に便利なのも、このコースの利点です。
横浜観光 水道みち緑道というのがある:まとめ
-
水道みち緑道は約8kmの自然散策ルート、観光地化されていない横浜の穴場
-
季節の花や鳥の声が楽しめ、地元の暮らしにも触れられる
-
坂道が少なく、ベンチ・案内板・トイレも整備されているため安心
-
踊場〜戸塚を中心に、気軽に歩ける半日モデルコースがおすすめ
-
「癒し」「静けさ」「地域とのふれあい」がテーマの観光にぴったり
みなとみらいや中華街の活気ある横浜も素晴らしいですが、たまにはこうした“静かな横浜観光”はいかがでしょうか。
水道みち緑道を一歩一歩踏みしめて歩くことで、大都市・横浜と豊かな自然の境界を肌で感じ、そこに息づく地域の営みにそっと寄り添うような、穏やかな時間が待っています。次の休日には、喧騒を離れ、心と体をリセットする散歩に出かけてみてください。