足柄は何県?神奈川と静岡の境界線にある地名の謎を解明
旅行やドライブの計画を立てているときに、ふと足柄は何県にあるんだろうと疑問に思ったことはありませんか。金太郎のふるさととして有名な足柄山や、ドライブの休憩に欠かせない足柄サービスエリアなど、足柄という名前を目にする機会は多いですよね。実は足柄という地名は、神奈川県と静岡県の両方にまたがって存在しているんです。そのため、目的地によって足柄駅が静岡県にあったり、南足柄市が神奈川県にあったりと、ちょっとややこしい状況になっています。この記事では、そんな足柄の所在地の正解や、なぜ二つの県に分かれているのかという歴史的な背景まで、分かりやすくまとめてみました。これを読めば、もう目的地で迷うことはなくなりますよ。

横浜で現実逃避作成イメージ
- 足柄という地名が神奈川県と静岡県のどちらにも存在する理由
- 南足柄市や足柄上郡・下郡など神奈川県側の行政区分
- JRと小田急で場所が全く異なる二つの足柄駅の注意点
- かつて実在した足柄県という広域行政区分と歴史の変遷
足柄は何県にある?現在の行政区分と自治体の正解
まずは、今現在「足柄」という名前がどこの住所に使われているのかを整理してみましょう。結論から言うと、自治体としての名前は主に神奈川県に集中していますが、駅やサービスエリアなどの施設は静岡県にもしっかり存在しています。なぜこれほどまでに混同されるのか、その実態を詳しく見ていきましょう。
南足柄市は神奈川県の西部に位置する自治体

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「足柄」というフレーズを住所として最も象徴的に冠しているのが、神奈川県にある南足柄市(みなみあしがらし)です。私たちが普段「足柄」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、この街の風景かもしれません。南足柄市は神奈川県の最西端に位置し、1972年に市制を施行しました。もともとは南足柄町でしたが、人口の増加と地域の発展により市へと昇格した歴史があります。
この街の最大の特徴は、なんといっても「金太郎(坂田金時)のふるさと」としての顔です。市内には金太郎が産湯をつかったとされる「夕日の滝」や、動物たちと相撲の稽古をしたと伝わる「太鼓石」など、伝説ゆかりのスポットが点在しています。特に地蔵堂地区周辺を散策していると、まるで童話の世界に迷い込んだような穏やかな空気が流れていて、私自身も訪れるたびに心が洗われるような気持ちになります。
南足柄市の主な特徴と観光スポット
- 大雄山最乗寺:曹洞宗の古刹。天狗伝説で知られ、パワースポットとしても人気です。
- 夕日の滝:金太郎の産湯の地。落差23メートルの豪快な滝は圧巻の一言。
- 足柄森林公園 丸太の森:ジップラインなどのアクティビティが充実した、家族連れに人気のスポット。
また、南足柄市は水が非常に綺麗なことでも有名で、大手飲料メーカーの工場が置かれるほど。豊かな自然と清らかな水、そして歴史が共存する、神奈川県を代表する「足柄」の拠点といえますね。
足柄上郡と足柄下郡の範囲と構成する町村
が現在の神奈川県と静岡県の県境になったことを示す地図イラスト。.jpg)
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神奈川県において、「足柄」は単一の市だけでなく、広大な「郡」としてもその名を残しています。それが足柄上郡(あしがらかみぐん)と足柄下郡(あしがらしもぐん)です。古くは一つの大きな「足柄郡」でしたが、平安時代ごろにはすでに上下に分かれていたといわれています。このように歴史の深い区分が今も現役で使われているのは、なんだかロマンを感じますよね。
現在の構成を整理してみると、地域の特性がはっきりと分かれています。以下の表にまとめました。
| 区分 | 構成自治体 | 地域の特徴 |
|---|---|---|
| 足柄上郡 | 中井町、大井町、松田町、山北町、開成町 | 丹沢湖や西丹沢の山々に囲まれた、山の幸とアウトドアの宝庫。 |
| 足柄下郡 | 箱根町、真鶴町、湯河原町 | 日本屈指の温泉地・観光地。海と山、両方の魅力を備えたエリア。 |
特に注目したいのは、箱根町が「足柄下郡」であることです。多くの観光客は「箱根は箱根」という独立したイメージを持ちがちですが、住所の上では足柄の一部なんですね。また、足柄上郡の山北町は面積が非常に広く、丹沢の深い自然を守り続けています。このように、神奈川県における「足柄」は、私たちが思う以上に広い範囲をカバーする広域名称なんです。
静岡県小山町にあるJR御殿場線の足柄駅

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さて、ここからが「足柄は何県?」という疑問の核心に迫る部分です。実は、JR御殿場線の「足柄駅」は、神奈川県ではなく静岡県駿東郡小山町(おやまちょう)に所在しています。「えっ、足柄なのに静岡なの?」と驚く方もいるかもしれませんが、地理的には足柄峠のすぐ麓に位置しているため、非常に納得のいくネーミングなんです。
この駅には、鉄道ファンならずとも知っておきたい素敵なエピソードがあります。戦後の1947年に旅客駅として昇格した際、資金や資材が不足していたため、当時の地元住民の方々が延べ1万9千人も参加して、土盛りなどの建設作業をボランティアで行ったのだそうです。まさに「地域の愛で生まれた駅」といえますね。
さらに、2020年には駅舎が全面リニューアルされました。設計を手がけたのは、国立競技場などの設計で知られる世界的建築家の隈研吾さんです。地元産の「富士山-金時材」をふんだんに使ったモダンな木の駅舎は、富士山を仰ぎ見る小山町の景色に完璧に溶け込んでいます。駅内には「足柄駅交流センター」も併設されており、ハイキングの合間にホッと一息つける憩いの場になっています。静岡側の足柄は、富士山を最も間近に感じられる特別な場所と言えるでしょう。
東名高速道路の足柄サービスエリアは静岡県
車を運転する方にとって「足柄」といえば、日本最大級の規模を誇る足柄サービスエリア(SA)ですよね。このSAの所在地も、よく勘違いされがちですが「静岡県」です。正確には、上り線が静岡県御殿場市、下り線が静岡県駿東郡小山町に位置しています。
東京方面から車を走らせていると、神奈川県の長いトンネル(右ルート・左ルートの分岐など)を抜けてすぐの場所にあるため、「まだ神奈川かな?」と思ってしまいがちですが、実はトンネルを抜けた瞬間に静岡県に入っているんです。このSAは単なる休憩施設を超えた「目的地」としても人気があります。
足柄SAの充実した施設紹介
- EXPASA足柄(上り):富士山を一望できるテラスや、本格的なレストランが充実。
- レストイン時之栖(下り):高速道路を降りずに宿泊・入浴ができる便利な施設。
- ドッグラン:広大な敷地があり、愛犬家の方々にも大好評。
このように、サービスエリアとしての足柄は完全に静岡県の顔となっています。利用する際は「静岡県に入って最初の大きな休憩所(下り)」「静岡県を出る直前の最後の拠点(上り)」と覚えておくとスムーズかなと思います。
神奈川県小田原市にある小田急線の足柄駅
さらに混乱を招く原因となっているのが、もう一つの足柄駅の存在です。小田急小田原線の「足柄駅」は、神奈川県小田原市にあります。JRの足柄駅(静岡県)とは、全く別の路線、全く別の場所に位置しているんです。
この小田急の足柄駅は、1927年の開業時に設置されました。駅名の由来は、当時の所在地が「足柄下郡足柄村」だったことにあります。現在は小田原市の一部になっていますが、駅名だけが当時のまま残された形ですね。小田原駅から一駅隣という都心に近い立地で、周辺は閑静な住宅街が広がっています。
私が以前、友人と足柄駅で待ち合わせをしようとした際、「どっちの足柄駅?」と確認し合わなければならなかったことがありました。一方は御殿場線の無人駅に近い自然豊かな駅、もう一方は小田原駅に近い都市部の駅。同じ名前でも雰囲気が全く違うのが面白いところです。小田急側の足柄駅周辺には、五百羅漢で有名な玉宝寺などもあり、歴史散策にも向いていますよ。

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足柄峠や金時山など両県に跨る地理的境界
そもそも、なぜ「足柄」という名前が二つの県で奪い合い(?)のようになっているのか。それは、「足柄」という言葉のルーツが、県境に横たわる「足柄山地」という大きな地形そのものだからです。
昔から、この地域の険しい山々は総称して「足柄山」と呼ばれてきました。その中心的な存在が金時山(きんときやま)です。標高1,212メートルのこの山は、頂上がまさに神奈川県(南足柄市・箱根町)と静岡県(小山町)の境界線になっています。つまり、山頂で一歩歩けば県境をまたぐことができるんです。また、古くからの交通の要所である足柄峠(標高759メートル)も、両県のちょうど境目に位置しています。
神奈川側から見れば「自分たちの背後にそびえる大切な山」であり、静岡側から見れば「富士山と対峙する重要な境界の山」。どちらの県にとっても「足柄」は自分たちの土地を象徴する名前だったわけです。行政が引いた線よりもずっと前から、この場所には「足柄」という一つの大きな自然界が存在していたんですね。
歴史から紐解く足柄は何県かという疑問の答え
さて、ここからは少し時計の針を戻して、歴史の話をしましょう。現在の「神奈川県」と「静岡県」という枠組みが完成する前、この地域には驚きの行政区分が存在していました。それを知れば、足柄という地名が分断された理由がすっきりと納得できるはずです。
明治時代に実在した広域行政体の足柄県
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驚くべきことに、明治初期のわずか5年間ほど、「足柄県(あしがらけん)」という名前の県が独立して存在していました。1871年(明治4年)の廃藩置県によって誕生したこの県は、現在の神奈川県西部と静岡県の伊豆半島全域を合体させたような、非常にユニークな形をしていました。
当時の足柄県の範囲は以下の通りです。
- 旧相模国:現在の小田原市、南足柄市、秦野市、厚木市の一部など(足柄上・下郡、大住郡、愛甲郡、津久井郡、淘綾郡)
- 旧伊豆国:伊豆半島全域、および伊豆諸島(大島、三宅島など)
県庁は小田原城(現在の小田原市城内)に置かれており、まさに小田原を中心とした一大広域圏だったわけです。この「足柄県」という名前は、地域を象徴する足柄峠や足柄山から取られました。もしも歴史が少し違っていれば、私たちは今でも「足柄県出身です」と言っていたかもしれません。今の神奈川と静岡に分かれた「足柄」の断片は、かつて一つの県としてまとまっていた時代の名残なんです。
廃藩置県から足柄県が廃止された歴史的経緯
足柄県が誕生した背景には、明治政府の「地方をどう管理するか」という試行錯誤がありました。それまでの江戸時代は、小田原藩や旗本領などがパッチワークのように入り組んでいましたが、それを一気に整理したのが廃藩置県です。当初は、険峻な箱根・足柄の山を越えて伊豆と相模を一つの経済圏・行政圏としてまとめようとする意図があったようです。
しかし、当時の地方制度はまだ安定しておらず、毎年のように境界線が引き直されていました。足柄県の場合も、相模川を境に東側の高座郡が神奈川県に移管されるなど、常に変動にさらされていました。そして1876年(明治9年)、政府がより大規模な府県統合を進める中で、足柄県は残念ながら廃止される運命をたどります。県庁所在地の小田原は、県としての機能を失い、巨大な「足柄県」という枠組みは消滅しました。これは当時の政治的な判断によるものでしたが、地域住民にとっては生活圏が二つの大きな県に吸収されるという大きな変化でした。
相模国と伊豆国が神奈川と静岡に分割された理由
足柄県が廃止された1876年4月18日、その領土は明確な基準で真っ二つに分けられました。それが、「相模国(さがみのくに)」か「伊豆国(いずのくに)」かという、もっと古い時代からの国境(くにざかい)です。
相模国側だった足柄上郡・足柄下郡などは神奈川県へ編入され、伊豆国側だった地域は静岡県へ編入されました。このとき、足柄峠付近に引かれた国境がそのまま現在の神奈川県と静岡県の県境となったのです。この線引きによって、もともと「足柄」という一つの文化圏だったエリアが、行政的に「神奈川県」と「静岡県」という二つの世界に切り離されてしまいました。
この分割の影響は現代にも色濃く残っています。例えば、静岡県の熱海や伊東といった伊豆半島は、歴史的には小田原と同じ「足柄県」でしたが、今は静岡県です。一方で、箱根は神奈川県として残りました。この「足柄の断絶」こそが、現代の私たちが「足柄って結局どっちの県?」と首をかしげる最大の理由なんですね。
金太郎伝説が残る足柄山地の文化的な繋がり

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行政がどのように線を引こうとも、そこに住む人々の文化や伝説までは切り離せませんでした。その代表例が、誰からも愛されるヒーロー「金太郎(坂田金時)」です。足柄山地を挟んで、神奈川側も静岡側も、等しく金太郎を自分たちの土地の宝として大切にしています。
神奈川県の南足柄市は、金太郎が生まれ育った場所として「金太郎プロジェクト」を推進し、街の至る所に金太郎のモチーフを配置しています。一方で、静岡県の小山町もまた「金太郎誕生の地」を掲げ、町内には立派な金時神社があり、毎年「富士山金太郎春まつり」が盛大に開催されます。 (出典:小山町公式ホームページ「金太郎伝説」)
一見すると「どっちが本家?」と言いたくなるかもしれませんが、私からすれば、それだけ両県の人々にとって「足柄の山」が特別な存在だったという証拠なんだなと感じます。県境を越えて同じ伝説を語り継ぐ。足柄という地名は、目に見えない文化の絆で今も神奈川と静岡を一つに繋ぎ止めているのかもしれません。
鉄道や高速道路で名称が重複した背景
交通インフラに「足柄」という名前が溢れているのは、明治以降の開発において、この名前が持つ「歴史的な重み」や「地理的な分かりやすさ」が重視された結果です。鉄道が敷かれ、高速道路が開通する際、その場所がたとえ神奈川であっても静岡であっても、付近を象徴する名前として「足柄」以上のものはなかったのでしょう。
例えば、JR御殿場線はもともと東海道本線として開通した非常に重要な路線でした。その難所である峠越えを象徴する駅として、静岡県側に「足柄駅」が作られました。一方で、小田急電鉄が小田原へ路線を延ばした際も、当時の村名である「足柄村」から名前を取りました。これらは別々の企業が、それぞれの地域の歴史に敬意を払って命名したため、結果的に同じ名前の駅が二つ誕生してしまったわけです。高速道路の「足柄SA」についても、県境の険しい「足柄越え」を象徴する休憩所として、最もふさわしい名前として選ばれました。これらの重複は、混乱を招くデメリットこそありますが、それだけ「足柄」という地名が、時代を超えて人々から愛され、信頼されてきた証だと言えるのではないでしょうか。
ナビ設定時の注意!
車や電車で「足柄」を目指す際は、以下の点に十分注意してください。
- 電車の場合:小田急線(神奈川・小田原方面)か、JR御殿場線(静岡・御殿場方面)かを確認!
- 車の場合:カーナビに「足柄駅」と入れると、意図しない県の駅へ誘導されることがあります。
- SAの場合:東名高速の足柄SAは「静岡県」です。神奈川県内の海老名SAや中井PAと間違えないようにしましょう。
最新の運行情報や施設情報は、必ず各公式サイトなどで事前にチェックしてくださいね。
結局足柄は何県なのかという結論のまとめ
ここまで長い旅をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。「足柄は何県?」という問いに対する最終的な答えは、やはり「神奈川県と静岡県の両方にまたがる広域地名」ということになります。一つの答えに絞れないのが、足柄という土地が持つ複雑で魅力的な歴史の正体なんですね。
市や郡という行政の枠組みを大切にするなら神奈川県ですし、鉄道の旅やドライブの思い出を語るなら静岡県のイメージが強くなるかもしれません。かつて「足柄県」として一つの家族だった地域が、今は二つの県に分かれ、それぞれが「足柄」という誇り高い名前を守り続けている。そう考えると、なんだか足柄という地名がもっと愛おしく感じられてきませんか?
もし皆さんがこれから足柄を訪れるなら、それが神奈川側であっても静岡側であっても、そこには共通の「足柄の魂」が流れていることを思い出してみてください。富士山を眺め、金太郎の伝説に触れ、豊かな自然を満喫する。県境なんて関係なく、足柄はいつでも私たちを温かく迎えてくれます。目的地を間違えないよう、地図アプリでの最終確認だけは忘れずに(笑)、素敵な足柄の旅を楽しんでくださいね!

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